【機能ガイド】Wi-Fi無線の停波を利用したインターネット制限のデメリット6選をあげてみた

2023-05-21 この記事にはプロモーションが含まれます。

この記事では、WiFiルータに搭載された省電力設定を使ってインターネットの利用を制限したときに起こる問題を説明します。無線WiFiの停波は、すべての人をインターネット利用ができない状態にします。具体的な問題を説明することで導入時の不安をやわらげます。なお、WiFiルータの省電力で電気代は安くなりません。WiFiルータに省電力やエコといった設定がある理由は、省電力設定のメリット記事で詳しく説明しているので、そちらを参照してもらえればと思います。

最初に「電波は人間にとって有益な資源です」といってもピンと来ない人が多いでしょう。

分かりやすく説明するため、電波を人間が聞こえる音にして考えます。隣の家から24時間ずっと騒音が出るいる騒がしいところに住みたい人はいないですよね。電波と音の違いは、人間の耳に聞こえるか周波数か、聞こえない周波数かの違いです。それゆえ、無線を使わない時は、余計な電波を出さないようにすることが大事です。WiFiルータには、強制的に電波を出さない時間帯をスケジュールする省電力設定があります

省電力設定は、WiFi黎明期に搭載された機能です。当時は、無線WiFiが実装された端末が少なく、暗号化技術も未熟でした。初期の無線WiFiは、パソコンでの利用が中心であり、使いたいときにだけ、無線WiFiのスイッチをオンにするという使い方が一般的でした。不要なときは、電波を出さないようにすることで、未熟な暗号化技術をカバーし、情報漏えいのリスクを減らしていたのです。

記事のポイント

  1. WiFiルータの停波による影響を知る
  2. 有線LANは制限されないことを知る
  3. 対応したWiFiルータが少ないことを知る
  4. 省電力設定のやめ時を知る

下記のメーカは、省電力設定があるWiFiルータを発売しています。


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省電力設定のデメリット

現在は、パソコンだけではなく、ゲーム機やスマホといった様々な端末が、絶えず無線WiFiを使います。それに合わせて、WiFiルータは、WPA2やWPA3といった認証方式に対応し、高度な暗号化が標準となりました。Wi-Fi6(IEEE802.11ax)のOFDMA対応は、電波利用を時間単位で細かく分割し、電波の衝突を減らすことに貢献しています。


画像は、三井情報株式会社さんのコラムから引用しています。

これらの技術に対応したことで、以前のように使いたいときだけ無線WiFiをオンにすることはなくなりました。スマホやタブレットの利用が中心であれば、WiFiルータからの電波出力を停止(停波)しない方が良いです。こんな状況のなかで、スマホ依存症のバカ息子の更生させるため、自宅のWiFiルータの省電力設定を利用して、無線WiFiの停波をスケジュール管理します。省電力設定の導入で無線WiFiを停波することは、様々な問題を生じます。起こりうる問題を具体的に説明します。

家族全員が停波の影響を受ける

省電力設定は、WiFiルータからの電波出力を停止(停波)します。WiFiルータは、無線WiFiを停波するので、SSIDが表示されません。スマホ、タブレット、パソコンといったすべての端末は、WiFiに接続できなくなります。

省電力設定の無線WiFiの停波は、キッズタイマーのように、端末毎にスケジュール管理できません。つまり、22時以降に子供のスマホはネットワークに接続できないようにし、大人のスマホは制限をしないといった端末に合わせた柔軟なスケジュール管理はできません。

すべての端末が、平等かつ同時にWiFi接続できなくなるのは、インターネット利用を制限する上で最強です。しかし、自宅内の全端末が無線WiFiを使えない状況になるのは、とても不便です。

省電力設定の停波スケジュールは、昼夜逆転したスマホ依存症のバカ息子の生活習慣を改善するため、深夜時間帯に設定することが多いでしょう。残業で疲れて夜遅くに帰宅したお父さんは、ゆっくりスマホを触りたくても無線WiFiが使えません。夜中にスマホでニュースをポチることができないと残念な気分になります。

省電力設定を導入した当初、のんびり理系おじさんは、家族全員のインターネット利用が制限されるぐらいなら、バカ息子を家から追い出してしまった方が早い!と感じました。

たりをパパ
たりをパパ
やっぱりバカは、
追いだすのが良策だよ!

また、スマホやタブレットのファームウェアのアップデートには、深夜の2時、3時に行われることが多く、深夜に無線WiFiが停止するのは、スマホやタブレットのセキュリティの最新性が保てない問題があります。

停波中の設定変更に有線接続が必要

省電力設定の動作中は、無線WiFiが停波しているため、無線でWiFiルータの設定を変更することができません。つまり、有線LANポートがないスマホやタブレットは、停波中にWiFiルータの設定変更できません。省電力設定の停波タイマーが満了し、無線WiFiができるようになるのを待つしかありません。

もちろん、自宅に、有線LANポートを持ったパソコンがあれば、停波中もWiFiルータの設定を変更することができますが、パソコン起動や有線LANケーブルの接続といったアクションが必要です。WiFiルータの設定を変更するために、パソコン起動や有線LANケーブルの接続作業は、とても煩わしく感じます。

それゆえ、省電力設定は、インターネットの利用スケジュールを柔軟に変更するといった使い方に適しません。決め事として、24時になったら絶対に寝ろ!ぐらいの昭和オヤジ的な家族方針が打ち出されない場合、省電力設定の導入は、やめておいた方が良いでしょう。

機能を搭載したWiFiルータが少ない

省電力設定を搭載したWiFiルータは、現在、バッファローAirStationシリーズしかありません。以前は、NEC Atermシリーズにも省電力設定がありましたが、現行機種には無線WiFiを停波する機能を搭載していません。そのため、WiFiルータの選択肢は限られます。

「tp-linkにも機能があるぢゃないか!」という意見が聞こえてきそうですが、のんびり理系おじさんは、tp-linkで省電力設定を使うことを勧めません。tp-linkは、WiFiの最新規格を安価に使いたい人向けの製品です。インターネット利用を制限することを目的に使うべきではありません。製品開発に携わったのんびり理系おじさんの経験から、製品不具合を生じやすいのはシーケンス制御と感じています。

シーケンスとは、あらかじめ決められた順序に従って動作をすることを指し、なんらかの理由で順序が入れ替わってしまうと、多くの場合で不具合を生じます。無線WiFiの停波や再開のシーケンスは複雑です。製品開発時に様々な評価に割いた時間が重要になります。tp-linkの開発時の評価には不安があります。多くの人が使わない機能を頻繁に使うのは、開けてはいけないパンドラの箱を開けてしまう可能性が高いです。

また、故障時の修理対応にも不安があります。製品交換によるサポートで不具合は解消しません。きちんと問題点を把握して修理対応する日本メーカの製品にすべきでしょう。

停波しても電気代は殆ど変わらない

WiFiルータの省電力設定は、無線WiFiを停波する機能であり、無線を停波することで下がる消費電力はわずかなものです。そもそも、無線LANの送信出力は10mW以下と国内の電波法で決まっています。製品仕様でハイパワーをウリにしている製品でも、最大送信出力の10mWを超えた製品があるなら、それは電波法に違反した製品です。海外製のWiFiルータが、日本国内で使えない理由は、使用できる周波数帯の他に、送信出力などの規格が欧米とは異なるからです。

また、最大送信出力10mWの消費電力は、免許がいらない特定小電力のトランシーバーと同じです。インターネットで調べれば分かると思いますが、特定小電力のトランシーバーは、小さなリチウム電池で動作するものばかりです。電気代が下がることを期待して省電力設定を導入しても、節電効果は、ほとんどありません

なお、ちょっと技術的な話になりますが、日本の電波法で規定されているのは、空中線電力といって、アンテナから出力される1MHzあたりの電力です。空中線電力10mWの出力数を増やすには、アンテナ本数を増やします。もちろん、アンテナが増えただけ消費電力(電気代)が増加しますが、月の電気代が数円増えるぐらいです。

メーカが省電力設定を搭載する理由は、太陽電池などを使って、WiFiルータをバッテリ駆動させる等の特殊な利用環境に対応するためでしょう。LEDの点灯、だけではなく使っていない時間帯に、無線WiFiや有線LANを停止させれば、電力消費を極限まで抑えることができます。でも、一般家庭向けではありません。

WiFiルータの消費電力は、InternetWatchで清水理史さんが解説された内容が分かりやすいのでリンクを貼っておきます。
https://internet.watch.impress.co.jp/docs/column/shimizu/1428709.html

有線LAN接続は制限されない

バッファロー AirStation以外のWiFiルータは、これまで発売された製品を調べても、有線LAN接続を制御することができません。スマホやタブレットのように無線WiFiしかない端末は、停波でインターネット利用を制限することができますが、パソコンのように有線LANがある端末は、インターネット利用を制限できません

NEC Atermシリーズは、IEEE802.3azで規格化された省電力型イーサネットEnergy Efficient Ethernet(EEE)を導入しています。有線LANポートを使っていないと判断したとき、自動的に省電力状態に移行します。また、Wi-Fi6(IEEE802.11ax)で規格化されたTarget Wake Time(TWT)の導入により、無線WiFiを使っていないと判断すると、無線WiFiは一定時間スリープ状態になり消費電力を削減します。

NEC Atermシリーズは、有線LAN、無線WiFiのどちらの場合も、通信状態を把握し、自動的に消費電力を抑えますが、無線WiFiや有線LANをスケジュール管理で停止させることはできません。自動的に省電力なるのは便利にも感じますが、前述したように、一般家庭でWiFiルータを省電力動作させるメリットは、ほとんどありません。大規模な工場やショッピングモールなどでの利用を想定しているのかも知れません。

 
Aterm シリーズ

AirStation シリーズ
有線LAN 自動(EEE)
無線WiFi 自動(TWT)
LED ×

省電力設定は、WiFiルータに有線LANケーブルを繋がれないように注意しておく必要があります

機能名称から制限内容が想像しにくい

根本的な話ですが、「省電力」や「エコ」という機能名称は、何を目的にした機能か想像がつきません。確かに、言葉としては間違ってはいないのですが、WiFiルータを使用する一般家庭において、利用者は「省電力」や「エコ」な機能と言われると、電気代が安くなるの?と勘違いしてしまいます。

機能名称が悪いので、インターネットの利用制限に使える機能とは知らない人も多いです。

「名は体を表す」ということわざがあるように、WiFiルータのメーカさんには、適切な機能名称を付けてもらいたいです。のんびり理系おじさんは、「低消費電力モード」や「部分機能停止モード」あたりが名称として適しているように感じます。たとえば、農林水産省では、畑の真ん中にWiFiルータや太陽電池等を置いて、農機や建設機械などを遠隔操作を考えています。この場合、夜間は無線LANを動作させる必要はないので、夜間は動作しないように設定しておきます。


出展:農業農村における情報通信環境整備の推進について(農林水産省)

国土交通省は建設機械の遠隔操作や自動操作などを考えており、WiFiルータは一定の範囲をカバーするのに適しています。省電力設定の有無がWiFiルータの選定理由になる日も来るかもしれませんね。そういった意味では、ネーミングセンスの良い機能名称にして欲しいですね。


省電力設定が不要になるタイミング

今度は、省電力設定をやめるタイミングを説明します。

生活リズムが整ったとき

省電力設定は無線WiFiを停波するので、抜け穴とか解除といった方法がありません。WiFiルータの省電力設定は、タイマーを満了するか、設定を変更するまで、問答無用で無線WiFiを停波します。あまりにも強力にインターネット利用を制限する省電力設定は、導入してしばらくすると、家族から不満が出ます。家族全員が制限を受ける機能なので、できるだけ制限する期間は短く、早く省電力設定を解除したいと家族みんなが思います。

省電力設定をやめるタイミングは、インターネット利用を制限したい人の生活リズムが整う目処がついた、できるだけ早い時期です。

よって、省電力設定は、夏休みや冬休みなどの長期で学校が休みになり生活リズムが崩れそうな時にあらかじめ設定するのが適しています。子どものときから、だらだら深夜までスマホを触る生活習慣が身についてしまうと、中高生になってから規則正しい生活に戻すのに苦労します。生活リズムが崩れそうな長期休暇で限定的に利用し、長期休暇が終われば解除するのが良いでしょう。

生活スタイルが家族で異なるとき

家族全員が日勤の生活スタイルにあるとは限りません。それぞれの家庭で、様々な生活スタイルがあると思いますが、一定の時間、無線WiFiを停波すると、特定の人が不便に感じてしまう状況になります。例えば、三交代制の昼勤、前夜勤、夜勤のうち、前夜勤は、14時から22時頃になることが多く、自宅に帰ってでゆっくりしたい時に無線WiFiが使えない状況になります。

今の時代、インターネットは、ライフラインの一部といっても過言ではありません。

のんびり理系おじさんは、家族バラバラの生活スタイルがあるご家庭での省電力設定を使ったインターネット利用制限することは勧めません。このブログでは、省電力設定以外にも、様々なインターネットの利用制限の方法を紹介しています。それぞれのご家庭にあった方法があると思うので、他のインターネット利用制限の記事を参考にして、もっとも適した方法を採用してください。

子どもが高校生になったとき

高校生になるとインターネットで調べ物をする機会も増えます。のんびり理系おじさんの息子も、22時ごろまで塾で勉強して、自宅に帰って夕食をとった後もインターネットに接続して学校の課題をしています。今の中学校や高校生の学校から出される課題は、インターネットに接続して回答することも多くなってきました。社会人に近づくにつれ、スケジュールを管理して、インターネットの利用を制限するのは、だんだん、厳しくなってきます。

キッズタイマーや省電力設定といった機能でインターネット利用をスケジュール管理して制限するのは限界があります。

まとめ

無線WiFiを停波することは強力すぎます。強すぎる諸刃の剣のような省電力設定には、次のようなデメリットがあります。

デメリット

  1. 家族全員が停波の影響を受ける
  2. 停波中の設定変更に有線接続が必要
  3. 機能を搭載したWiFiルータが少ない
  4. 停波しても電気代は殆ど変わらない
  5. 有線LAN接続は制限されない
  6. 機能名称から制限内容が想像しにくい

省電力設定のメリット

ここまで、省電力設定の悪いところばかり説明しましたが、省電力設定にはメリットもたくさんあります。省電力設定を導入するメリットを説明した記事も参考にしてください。

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最後まで読んでいただき、まことにありがとうございました。のんびり理系おじさんは、読者の皆さまのお子様の成長を心よりお祈り申し上げます。どうしようもないとき、このページを参考にインターネット利用制限を行ってください。おじさんは、これからも、皆様の子育てのお役に立てる情報を発信していきます。

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たりを

技術士(電気電子部門:情報通信)、労働安全コンサルタント『のんびり理系おじさん』です。情報通信分野で、光伝送装置の開発、システム設計、据付調整など25年以上携わった経験を生かして、通信機器を使って生活を豊かにする情報を発信していきます。今やスマホがない生活は考えられません。自宅のWiFiルータを使い倒す方法を中心に紹介します。

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