この記事は、息子が、授業に付いていけないことを理由にスマホを使って、映像を見ながら勉強を始めた結果と、うまくいかなかった原因とその対策についてまとめたものです。
お子さんは授業についていけていますか、のんびり理系おじさんのバカ息子は、深夜までスマホを触っているので、当然、授業についていけず、成績はビリです。

と言っています。親からすれば、
お前の方がよっぽど頭がおかしい!

まあ、口論になってもバカバカしいのでグッとコラえました。
ぢゃあ、どうしたいのか、聞いてみると、スタディサプリなどの映像で学習したいというのです。私立のバカぼんぼん高校です。確か、入学した際に、3年間は格安で使えるとか言われて契約しました。とりあえず、映像授業をOKしたのですが、結果は、成績がさらに悪化する事態になりました。なぜ、そうなったのか整理したのがこの記事です。
今回は、映像授業のメリット・デメリットを解説した上で、息子が陥った映像授業の罠と、その対策について説明します。私たち親世代は、学生時代に映像で勉強するってことはなかったので、どのように対応したら良いか、戸惑ってしまいますよね~
記事のポイント
- 映像授業が流行る理由を知ることができる
- 失敗例から、映像授業の弱点に気付ける
- 映像授業が効果的な教科を知ることができる
- WiFiルータの通信制限を知ることができる

中高生に映像授業って効果あるの?
皆さんは映像授業に対してどんなイメージがありますか。私の学生時代は、予備校の授業はリアル講義で行われており、有名な予備校講師の講義を聞くというのが一般的でした。
インターネットどころか、パソコンすら普及していない時代です。衛星放送を使って配信する衛星予備校ができ始めたころですが、やはり予備校まで行って、授業を受けるのが普通でした。リアル講義が普通だった私たちにとって、映像授業のことを分かっていません。まずは、メリットから考えていきましょう
映像授業が流行る理由とは
映像授業が流行っている理由はなぜなのでしょうか。メリットとしては次のようなことが挙げられます。
内容を理解しやすい
映像を使った学習は、文字や音声を使った学習と比較すると、情報量が多いので、講義内容を理解しやすいことが特徴です。講師が、黒板やテキストを投影し、図やグラフも使いながら、時には声のトーンを変えるなどして、分かりやすく説明します。

内容を理解しやすい点
- 文字だけではない表現の自由がある
- 図やグラフなどで補足説明できる
- 声のトーンを変えて強調できる
文字だけの参考書や、音声だけの英会話用の音声CDでは、それ以上の情報を詰め込むことができません。映像は、様々な情報埋め込むことができるので、内容を分かりやすく説明できるのがメリットであると言えます。
自分のペースで学べる
あらかじめ録画した講義データが用意されているので、利用者は、理解度に合わせて、自由に学習内容を選択することができます。また、一度聞いて理解するのが難しい苦手教科や、高い難易度の学習は、何度も同じ映像を見て、繰り返し学習すれば、理解度が上がります。

マイペースで学べる点
- レベルに合わせて学習内容を選択
- 何度でも同じ映像を見れる
- 時間さえかければ誰でも理解できる
自分の能力に合わせて学習を進めるスピードを調整できることは、学びたいという意欲や努力を、結果に結びつけることができ、挫折することが少ないのも特徴です。
場所や時間を選ばない
インターネットの接続環境さえあれば、塾や予備校に行くことなく、講義を受講することができます。学ぶ場所は、自宅や図書館だけではなく、ファーストフード店、通学や通勤の電車の中でも可能です。

制限を受けない具体例
- 塾や予備校に行かなくて良い
- 移動中でも勉強できる
- 隙間時間で勉強できる
場所や時間を選ばず、気軽に学習できることは、学びたいという気持ちを後押しします。
学生に限らす、仕事がめちゃめちゃ忙しいサラリーマンや、掃除や洗濯、炊事など家事で押しつぶされそうな主婦など、学習を諦めていた人にも、隙間時間を利用して、学習する機会を得ることができます。
利用料金が安い
サービス運営側は、あらかじめ録画をした講義をインターネット上で提供するだけなので、講義会場の確保や、たくさんの講師を雇う必要がありません。これら運営に掛かる費用が抑えられることは、格安の料金でサービス提供することにつながります。

手軽に始めれる理由
- 料金が安いので気軽に始められる
- 私立高校へ入学時に勧められた
- 大手企業が運営している安心感
利用料が安いので、中高生も安心して利用できます。また、利用料が格安なので、我が家のように、とりあえず、加入しておく人が多く、利用率は高くありません。つまり、登録者が増加しても、サーバの追加や、インフラ回線の増強などは不要であり、登録者の増加は、運営会社の利益に直結します。
息子が映像授業でしていたこと
さて、ここまで、映像授業のメリットを説明しましたが、のんびり理系おじさんのバカ息子は、これら映像授業のメリットを全く生かせませんでした。
まず、学習意欲はゼロです。勉強している風な格好を見せれば、親は安心するだろうという誤解です。じっくり観察すると、普段の息子は映像授業をしていません。テスト前になったら、慌てて、出題範囲の映像を見始めます。
さらに、映像授業は、ぼんやり映像を眺めているだけで、メモを取ったり、分からない所を繰り返し見るなどしてません。映像授業のメリットを全く生かせなかった結果として、テスト前の貴重な時間を、無駄に食いつぶしている状況でした。
もちろん、講師が黒板の前で喋っている画面を見ていても、退屈でしかありません。映像授業を表示した画面の裏で、親に隠れて、別の映像を見て楽しむ場面もありました。
映像授業の何が悪かったの?
なぜ、こんな状況になるのでしょうか。
まず、最大の問題として、のんびり理系おじさんのバカ息子に、学ぼうという姿勢がないことです。成績を上げて、いい大学に進学したいという強い思いがないヤツが、映像授業しても意味がありません。
次に問題なのが、スタディサプリを始めとする映像授業は、予備校のように、講師が黒板の前に立ち一方的に説明するスタイルです。映像に変化が少なく、内容も単調で、退屈な映像コンテンツです。当然、5分も眺めれば、あくびを連発して居眠りを始めます。
こんな状態では、利用料が格安でも無駄です。映像授業は、勉強をしている雰囲気を出すための隠れ蓑なのですから。
映像授業に失敗した理由を整理する
メリットばかりの映像授業の何が悪かったのでしょうか。
映像授業を失敗した原因は何か
映像授業に失敗した原因をひとつずつ整理していきましょう。
インターネット接続が必須
インターネットに繋がないと映像授業ができません。これが最大の原因です。のんびり理系おじさんのバカ息子は、インターネット接続環境があると親の目を盗んで、映像やゲームで遊び続けるサルです。

映像授業には、映像コンテンツを一時的にダウンロードする機能もありますが、バカ息子は、どうやって、親の目を盗んで遊ぼうかと考えているので、そんな機能を使うワケがありません。理屈をこねて、できないと言うだけです。
インターネット制限ができない理由
- 学習にインターネット接続が必須
- キッズタイマは通信内容の制限不可
- ルータのレイヤ2通信制限に限界
また、キッズタイマー、MACアドレスフィルタといったレイヤ2の通信制限では、特定の通信のみ遮断することはできません。インターネットに接続すると、映像やゲームができる環境になります。特定の通信を切断するためには、レイヤ3の通信制限が必要です。
映像にインパクトがない
私は、映像授業に対して、肯定的に考えています。なぜなら、資格取得の勉強時に、積極的に映像を利用するからです。ただし、講師が黒板の前に立って講義をするタイプの映像は使いません。インパクトがあり、実際の状況が分かる映像を探して学習に使います。具体的なイメージを頭の中に作るために使用するのです。
参考書やテキストでは、なかなか頭の中にイメージを作れません。記憶に残るストーリーを作り、語呂合わせで覚えるにしても、50歳を超えた私の記憶力では、すぐにキャパシティの限界に達します。そこで、実験状況や、現場の様子の映像を見て覚えるのです。
映像授業が長続きしなかった理由
- 記憶に刻むにはインパクトが必要
- 好奇心や感動がない映像は飽きる
- 黒板+教師の単調映像ではダメ
人間、興味を持って見た映像と、驚きや感動を感じたシーンは忘れません。ガツンとくるインパクトがないと、記憶に刻まれないのです。おそらく、年齢に関係なく、黒板の前の講師が立って説明している映像では、どんなに長い時間を視聴しても理解度は上昇しません。
記憶の定着に時間がかかる
黒板の前に講師が立って講義をする映像授業は、記憶の定着に時間が掛かります。講師が、時々、ジョークを交えながら、お決まりの「今でしょ!」みたいなフレーズを付け加えて講義をすれば、記憶の定着率は上がるかも知れませんが、記憶に焼き付くのは、そのフレーズのところだけです。




まさに名フレーズです。高校を卒業したばかりの
ウブな若者には強烈なインパクトでした。
35年以上の年月が経ち、マニュアル車を運転することはなくなりましたが、今でも忘れることができません。もちろん、他にも運転テクニックを色々と習ったはずですが、すべて忘れてしまいました。
結局、多少の身振り、手振りを加えたところで、ずっと、講師が同じ場所に立った講義では記憶には残りません。体を動かして覚える自動車教習所でもこんな状況なのです。
もちろん、印象に残らない映像でも、10回、20回と見れば記憶に残るかも知れません。しかし、効率は非常に悪いです。記憶に定着した頃には、息子もオジさんになっているでしょう。
学習効率が悪いと感じない
のんびり理系おじさんのバカ息子は、幼稚園や小学校までは、勉強の質を問われることはなく、勉強をすること自体を褒められてきたので、成績ではなくダラダラと無駄に時間をかけて勉強することが、良いことだと勘違いしています。

何度か気づかせようとしましたが、私が、息子に注意すると、なぜか、妻が怒り出す状況でした。どうやら、自分の育て方が悪いと、否定されたと誤解してしまったようです。


私が駆け出しの技術者だった頃は、全国各地へ出張続きで、子どもの教育に関わってあげることができませんでした。ワンオペ主婦をさせてしまったことを猛省しているのですが、バカ息子は態度を変えることなく、ダラダラ映像を見続けました。


これを読んでいる、パパさん、ママさんは、冷静になって、子どもが間違った学習をしていないか確認してください。パパはママの育て方が悪いとは思っていないです。
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映像授業に向く教科は何?
映像授業に失敗した原因を説明しましたが、もちろん、映像授業に向いている教科もあります。映像授業で最も効果的なのは、インパクトのある映像です。
つまり、映像と自分を重ね合わせ、こうなってはいけないとイメージさせることです。もしくは、模範例を見せて、成功するためのコツを感覚で伝えるのにも向いています。
私は、労働安全コンサルタントという資格を持ていますが、工事現場で起こりうる問題を作業者全員に理解させるため、安全ビデオという映像教材を使います。
高所からの墜落して死亡事故を起こした時の事情聴取の様子や、雪道の自動車運転でハンドルが利かない実際の状況などを再現したビデオです。こんな事になりたくない!と思わせる事が、事故低減につがるのです。
よって、映像授業は、体を動かす体育や家庭科には向いています。しかし、英語や数学といった教科には向いていません。聞いているだけで受動的になりやすい教科は、学ぼうとする本人の強い「学びたい!」という意志がなければ意味がないのです。
映像授業って本当に必要なのか
映像授業をさせるとなったら、インターネットに接続できる時間を制限するだけではなく、映像やゲームといったコンテンツも制限しなくてはなりません。
もちろん、映像授業をさせないという選択肢もあります。のんびり理系おじさんは、バカ息子に映像授業をさせて、めちゃくちゃ後悔をしています。時間をさかのぼれるなら、映像授業はさせません!
映像授業ができなくて、困ることがあるのではないか。そんな心配があると思います。でも、大丈夫です!
バカ息子が映像授業を始めたことを担任の先生にも相談しましたが、映像授業は時間が掛かりすぎるので無駄であるとの回答でした。また、理解ができていない所は、個別に相談してくれれば、先生が教えてあげるとも言っていただきました。
つまり、先生たちも、映像授業に効果があるとは思っていないのです。だったら、入学時にスタディサプリを勧めるなよと思いましたが、そこはリクルートの営業活動が上手だったという事なのでしょう。
WiFiルータに求められる通信制限
これまでの説明で、映像授業では勉強をする本人の「学びたい!」という意思が重要であることはご理解いただけたと思いますが、映像授業をするするとなったとき、WiFiルータで、どんな通信制限をすれば良いか考えていきましょう。
特定通信のみ制限が必要
WiFiルータには、様々な制限機能が搭載されていますが、映像やゲームの通信だけ制限するのはちょっと工夫が必要です。
求められる機能は、特定の通信だけをカットすることです。例えば、Google検索やGoogleマップといったコンテンツは利用でき、YouTubeだけは見れなくするといった制限です。
- インターネット接続環境は維持
- 映像やゲームだけ通信制限する
- 映像授業や検索などは制限しない
えっ?そんなことできるの? と思われるかも知れませんが、WiFiルータのパケットフィルターを使えば、特定の通信だけ制限することは可能です。
レイヤ2通信制限の限界
レイヤ2の制限機能であるキッズタイマーやMACアドレスフィルタには、特定の通信だけ許可するという機能はありません。
レイヤ2の通信制限は特定の通信だけ制限できません。以下はレイヤ2の通信制限です。
- キッズタイマー
- MACアドレスフィルター
- ゲストSSID
レイヤ2の通信制限機能では、接続を許可する端末と、拒否する端末を仕分けることができますが、接続を許可した端末の通信内容まで把握していないのです。通信内容まで確認するにはレイヤ3の通信制限、つまり、パケットフィルターが必要となります。
レイヤ3通信制限は一部メーカ
レイヤ3の通信制限が搭載しているWiFiルータは限られます。なぜなら、本来はファイアウォールや業務用ルータやL3SWといったプロ用の通信機器に搭載される機能だからです。
ルータといえば、レイヤ3の機能を持った装置のことを指します。しかし、実際は、それら技術的ノウハウがないメーカもWiFiルータに参入している状況があるのです。のんびり理系おじさんの調査によると、NECとバッファローしか、レイヤ3の制限機能を搭載しません。
オススメのWiFiルータの制限機能
ここまで、映像授業は成績アップに繋がるか考えてみましたが、映像授業を導入しただけでは成績はあがりません!
加えて問題があります。キッズタイマーやMACアドレスフィルタといったレイヤ2の制限機能では、映像やゲームといった特定の通信を排除できないということです。
特定の通信をさせないためには
特定の時間しかインターネットに接続できないようにして、加えて、特定の通信ができなくするには、レイヤ2だけではなく、レイヤ3で通信制限できるWiFiルータを選ぶ必要があります。
高校生にお勧めの通信制限
高校生の通信制限を考える上で必要となるのは、レイヤ2制限+レイヤ3制限です。レイヤ2制限であるキッズタイマーやゲストSSIDだけでは、心もとないので、パケットフィルターの利用を考えましょう。
- ゲストSSID
- キッズタイマー
- MACアドレスフィルタ
パケットフィルター
パケットフィルタの通信制限
パケットフィルタは、送信元のIPアドレス、もしく、宛先のIPアドレスを元に、特定の通信を制限するものです。具体的な利用方法は次の記事が参考になると思います。 この記事では、WiFiルータのパケットフィルター初心者に、動画を非表示にする方法を説明をしたものです。レジェンドWiFiルータのDNSルーティングでインターネット通信制限を失敗した人が、スマホアプリに ...
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まとめ
高校生になったら、キッズタイマーやゲストSSIDの時間制限だけでは通信制限の限界を感じます。スマホ依存の状態から抜け出すには、映像やゲームといったコンテンツの制限を考えないといけません。
ポイント
- 映像授業を導入しても成績はあがらない
- WiFiルータの制限機能の見直しが必要
- 映像やゲームといった制限にはパケットフィルター
- パケットフィルターを搭載したWiFiルータは少ない
- 成長した子どもを想像しながらWiFiルータを選ぼう
最後に、読者の皆さまのお子様の成長を心よりお祈り申し上げます。どうしようもないとき、このページを参考にネットワーク利用制限をしてください。今後も、皆様のお役に立てる情報を発信していきます。