この記事では、「安心フィルター」の限界と、子どもをスマホ依存から守るためのより効果的な対策について解説します。安心フィルターは、ドコモ、au、ソフトバンクといった大手キャリアが提供しています。一見すると子どものインターネット利用を制限するのに十分なツールのように思えますが、実はたくさんの「抜け道」が存在するのをご存じでしょうか。
例えば、LINEやInstagram、TikTokといったSNSは、アプリ内にブラウザ機能を持っています。安心フィルターには、アプリ内ブラウザを制限する機能はなく、親の知らないところで子どもが不適切なコンテンツに触れてしまうリスクがあります。また、理由を付けてスマホの使いすぎる子どもは、学力の低下だけではなく、心身の発達に様々な悪影響があります。どんな悪影響があるかについて、記事のなかで、様々な検証データをもとに詳しく掘り下げていきます。
安心フィルターとWiFiルーターの併用は、なぜ最も効果的なのか、インターネット利用を制限する具体的な方法とあわせて紹介します。きっと、これから説明する内容は、子どものスマホ利用に悩むすべてのご家庭で役立つ情報です。

多くの親は、大手キャリアが提供する安心フィルターを設定すれば、子どものインターネット利用は安全だと考えています。しかし、現実には安心フィルターには多くの抜け道が存在し、子どもは簡単に制限をすり抜けてしまいます。フィルタリングを無効化する裏技もたくさん存在します。また、安心フィルターはウェブサイトへのアクセスを制限することはできても、利用時間そのものを制限することはできません。その結果、子どもはスマホを長時間使い続け、学力や心身の発達に悪影響を及ぼすリスクにさらされます。

実際に、スマホの利用時間が3時間以上の子どもは平均点を下回る傾向があることが明らかになっています。さらに、スマホの使いすぎは注意力・集中力の低下、感情コントロールの低下、判断力や自己制御の発達を阻害します。これらの問題を解決するためには、安心フィルターだけに頼るのではなく、WiFiルーターの機能を使った時間制限を併用することが不可欠です。
WiFiルーターに搭載された様々なペアレンタルコントロール機能を使えば、インターネットの接続時間そのものを制限できるため、安心フィルターの抜け道を完全に塞ぎ、子どものスマホ利用時間を確実にコントロールすることができます。
記事のポイント
- 安心フィルターの制限が不完全であることを知る
- 安心フィルターが簡単に解除できることを知る
- スマホを使いすぎると、どうなるかを知る
- WiFiルーターを使って制限する方法を知る
このブログでは、WiFiルーターを使ったインターネット利用制限を推奨しています。
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安心フィルターでは不十分?抜け道や裏ワザは?
大手キャリアが提供する安心フィルターは、子どもの安全なインターネット利用を目的としていますが、残念ながら万能ではありません。実は多くの「抜け道」や「裏ワザ」が存在し、子どもは簡単にフィルタリングをすり抜けてしまう可能性があります。安心フィルターは、主にGoogle ChromeやSafariといったウェブブラウザのアクセスを制限することを目的としており、特定のウェブサイトの表示をブロックしたり、ブラウザのアイコン自体を非表示にしたりします。
しかし、近年ではSNSを始めとする多くのアプリに搭載されている「アプリ内ブラウザ」が、安心フィルターで制限できないことが大きな問題となっています。
制限できないアプリ内ブラウザ
親にバレずにインターネット接続をする裏ワザの多くが、LINEやInstagram、TikTokといったSNSアプリに内蔵されているアプリ内ブラウザを使う方法です。これらのアプリは、サイトURLにアクセスする機能を持っており、企業広告を通じて商品やサービスを紹介するウェブサイトを表示します。これと同様に、SNSの書き込みを通じて、共有したいサイトURLをInstagramのストーリーや、LINEのトークで貼りつけることで、子どもは自由にウェブサイトにアクセスすることができます。
このアプリ内ブラウザは、安心フィルターの監視対象外となるため、親が設定した制限は全く機能しません。その結果、不適切なコンテンツに触れてしまうリスクが非常に高まります。この問題は、多くの親が安心フィルターを設定していることで安心してしまい、気づきにくい盲点となっています。

反映されない設定の盲点
安心フィルターの設定は、簡単な操作で解除できてしまいます。大手キャリアの説明では、子どもが簡単に設定を解除できないように工夫をしているとありますが、YouTubeでは、解除方法の裏ワザがたくさん共有されています。また、設定したはずの安心フィルターがなぜか反映されないといったケースも報告されています。
これは、スマホ再起動時にわざとCPUに負荷を掛けたり、OSアップデートなどの様々な要因で一時的にフィルタリングが無効になることがあるためです。安心フィルターで確実に制限したと親が思っていても、実際には機能していない状態になっていることがあります。親は、正常に安心フィルターが動作しているか確認する必要があるのですが、定期的に確認することは、とっても大きな負担となります。

YouTubeやSNSの利用時間も制限できない
安心フィルターは、特定のウェブサイトへのアクセスを制限することはできますが、YouTubeやゲームアプリそのものの利用時間を制限することはできません。

こども家庭庁の「青少年のインターネット利用環境実態調査」によると子どもがスマホで最も時間を費やす大半は、動画視聴やゲームアプリという結果がでています。安心フィルターが有効になっていても、これらのアプリは自由に使えるため、子どもは制限を受けることなくスマホを使い続けてしまいます。

例えば、YouTubeアプリはウェブブラウザ経由でなく、アプリ単体で利用されることがほとんどです。そのため、安心フィルターでウェブブラウザを制限しても、YouTubeアプリの利用時間は全くコントロールできません。この点が、安心フィルターの時間制限が役立たない最大の理由の一つです。 この記事は、WiFiルーターに搭載された機能である「パケットフィルター」を利用して、YouTube動画だけをスマートフォンに表示させない方法を説明したものです。パケットフィルターは、ごく一部のWiFi ...
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設定をすり抜ける抜け道
安心フィルターの設定をすり抜ける抜け道は、アプリ内ブラウザだけではありません。子どもたちは、友だちと協力してフィルタリングを回避する裏ワザを共有したり、親の目を盗んで設定を変更します。
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解除できない、解除されない時がある
安心フィルターは、時として意図しない形で解除できない、または解除されないといったトラブルが生じることがあります。これは、スマホのOSアップデートや、特定のアプリのバージョンアップ、あるいは設定の不具合などが原因で起こります。
親が一時的にフィルタリングを解除したいと思っても、設定がフリーズしてしまったり、パスワードを忘れてしまったりすることがあります。このようなトラブルが起きた場合、キャリアのサポートセンターに問い合わせるなど、手間と時間がかかります。それゆえ、安心フィルターは、一度設定したら、そのままの設定を継続することが多くなります。
安心フィルターの限界
ここまでの説明で、安心フィルターは子どものインターネット利用を管理するための完璧なツールではないことがわかったと思います。アプリ内ブラウザの抜け道、設定が反映されない不具合、そして利用時間を制限できないという本質的な限界があります。

これらの弱点を理解せずに安心フィルターを利用すると、子どもが不適切なコンテンツに触れてしまうリスクや、スマホの使い過ぎによる悪影響を放置してしまうことになりかねません。特に、子どものインターネット利用時間をコントロールしたいと考えている親にとって、安心フィルターだけでその目的を達成できません。
スマホ使いすぎは危険!利用時間に関するデータ
子どものスマホ利用が増加するにつれて、その悪影響について懸念が高まっています。利用時間の増加は、子どもの心身の健康や学力にまで深刻な影響を及ぼすことが、数々の研究やデータで明らかになってきました。親が子どものスマホ利用に無関心で、子どもがスマホを自由に楽しく使うことは、様々なリスクを伴います。ここでは、スマホの使い過ぎが具体的にどのような危険性をもたらすのか、科学的なデータに基づいて解説します。
スマホの使い過ぎで学力が低下する
スマホの使いすぎは、子どもの学力に直接的な悪影響を及ぼします。これは、スマホを長時間使うことで、勉強に充てる時間が減ってしまうだけでなく、脳の働きにも悪影響を与えるためです。スマホの利用時間が長い子どもは、そうでない子どもに比べて読解力や計算能力が低い傾向にあります。
特に、寝る直前までスマホを触っていると、睡眠の質が低下し、記憶の定着を妨げることがわかっています。また、SNSやゲームの刺激に常にさらされると、脳が集中力を維持する能力を失い、授業中の居眠りや注意散漫につながります。 この記事では、中学生・高校生の健全な成長を支援するためのインターネット通信制限の重要性と、コロナ禍を経験した現代のスマホアプリやWiFiルータの制限機能を使った「スマホと上手な付き合い方」を説明してい ...
【子育てコラム】中学生・高校生のスマホ使用の理想とWiFiルータの時間制限との付き合い方
3時間以上使うと平均点が取れない
「脳を鍛える大人のDSトレーニング」で有名な東北大学加齢医学研究所の川島隆太教授と仙台市との共同研究において、10年にわたりスマホ利用時間と成績の因果関係を調べた研究成果では、1日に3時間以上スマホを使う子どもは、そうでない子どもに比べて、学業の平均点が著しく低いという相関関係が明らかになりました。
この「3時間」という数字は、子どものスマホ利用時間を考える上で非常に重要な指標となります。長時間スマホを使うことで、子どもは思考力や論理的思考力を養う機会を失ってしまいます。また、受け身の状態で情報を消費するだけのスマホ利用は、主体的に学び、考える力を育む妨げになります。このデータは、単に「スマホは勉強の敵」という漠然としたイメージを裏付けるだけでなく、利用時間を意識する具体的な根拠を示しています。

出展:スマホ使いすぎると「勉強が台なしに」 脳トレ・川島隆太教授がデータで解説 | 朝日新聞Thinkキャンパス (asahi.com)
感情コントロールや自己制御の発達阻害
スマホの使いすぎは、子どもの感情コントロールや自己制御の発達を阻害する可能性があります。スマホは、常に新しい刺激や快感を与え続けるため、子どもは退屈な時間や不快な感情に直面する機会が減ってしまいます。
その結果、自分の感情を適切に処理したり、衝動を抑えたりする能力が育ちにくくなります。例えば、ゲームで負けた時にすぐにかんしゃくを起こしたり、少しでも思い通りにならないことがあるとイライラしたりするなど、感情の起伏が激しくなる傾向が見られます。これは、脳の前頭前野の発達に悪影響を及ぼすためと考えられています。

出展:スマホ依存に対する啓発ポスター(日医・日本小児科医会作成)について | 日医on-line (med.or.jp)
注意力・集中力の低下
スマホの画面を次々とスクロールしたり、様々なアプリを切り替えたりする行為は、注意力や集中力を低下させます。常に新しい情報や刺激を求める状態になるため、一つのことにじっくりと取り組むことが難しくなります。この傾向は、特にYouTubeやTikTokなどのショート動画を頻繁に視聴する子どもに顕著に見られます。これらのコンテンツは、短い時間で多くの情報を与えるため、脳は絶えず刺激を求め、持続的な注意力を必要とする勉強や読書といった活動を「退屈」だと感じてしまうようになります。
適切な利用時間と時間帯制限の必要性
子どもの健全な成長のためには、スマホの利用時間と時間帯制限を設けることが非常に重要です。ただ単に「使いすぎないように」と言うだけでなく、「1日○○時間まで」「夜○○時以降は使わない」といった具体的なルールを決める必要があります。
特に、就寝前のスマホ利用は睡眠の質を著しく低下させるため、夜間の時間帯制限は不可欠です。適切な制限を設けることは、子どもに自己制御能力を育む機会を与え、将来にわたってスマホと上手に付き合っていくための力を養うことにも繋がります。

WiFiルーターと併用した制限方法
安心フィルターの限界を理解し、子どものスマホ利用を確実に制限するためには、WiFiルーターのインターネット利用を制限する機能を活用することが最も効果的です。WiFiルーターの機能を使えば、特定の端末(子どものスマホなど)に対して、インターネットへの接続時間そのものを制限することができます。例えば、「平日は夜9時以降はインターネットに接続できないようにする」といった設定が可能です。「キッズタイマー」や「こども安心ネットタイマー」といった機能が有名です。 この記事は、WiFiルータのインターネット利用制限であるキッズタイマー導入のメリットを紹介します。最近のWiFiルータには、キッズタイマーが搭載されています。多くのWiFiルータで採用される理由を知る ...
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また、新しいスマホを買ってきて、安心フィルターが動作していないスマホで遊んでいるということがないようにするには、WiFiルーターを利用できる端末を指定するMACアドレスフィルタリングが効果的です。 この記事では、キッズタイマーのベースとなったMACアドレスフィルタを使ったインターネット利用制限を説明します。WiFiルータには、レジェンド機能であるMACアドレスフィルタが搭載されています。WiFi ...
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これ以外にも、WiFiルーターには、アプリ内ブラウザやフィルタリングの抜け道を塞ぎ、子どもがスマホを使える時間を確実にコントロールできる「ゲストSSID」や「Wi-Fi無線の停波」、「パケットフィルタリング」、「DNSルーティング」などの様々な機能があります。WiFiルーターを使ったインターネットの利用を制限する機能は、記事にまとめているので参考にしてください。 この記事では、子どもの健全な成長をサポートするために必要なWiFiルータの性能、規格やセキュリティ、通信制限機能について説明することで、WiFiルータ選びの悩みを解消します。 のんびり理系おじさんのバ ...
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まとめ
この記事では、大手キャリアが提供する安心フィルターの限界と、子どものスマホ利用に潜む危険性について詳しく解説しました。安心フィルターは、あくまで特定のウェブサイトへのアクセスを制限するツールであり、多くの抜け道が存在します。特に、LINEやInstagramといったアプリ内ブラウザには効果がなく、子どもが不適切なコンテンツに触れてしまうリスクを完全に排除することはできません。また、YouTubeやゲームアプリなどの利用時間を制限することもできないため、子どものスマホ依存や使いすぎを防ぐことは困難です。
スマホの使いすぎは、子どもの学力低下や、注意力・集中力の低下、感情コントロールの発達阻害など、心身の発達に深刻な悪影響を及ぼすことが明らかになっています。特に、1日の利用時間が3時間以上になると学業の平均点が低下する傾向があるというデータは、親が子どものスマホ利用時間を真剣に管理する必要があることを示しています。
これらの問題を解決するためには、安心フィルターだけに頼るのではなく、WiFiルーターのインターネット利用制限機能を併用することが最も効果的です。WiFiルーターを使えば、特定の時間帯にインターネットへの接続自体を遮断できるため、安心フィルターの抜け道を完全に塞ぐことができます。安心フィルターとWiFiルーターの二重の制限によって、子どもはスマホと適切に距離を置き、健全な成長を促すことができるのです。子どもの未来のためにも、ぜひこの二つのツールを併用した対策を検討してみてください。
最後まで読んでいただき、まことにありがとうございました。のんびり理系おじさんは、読者の皆さまのお子様の成長を心よりお祈り申し上げます。どうしようもないとき、このページを参考にインターネット利用制限を行ってください。おじさんは、これからも、皆様の子育てのお役に立てる情報を発信していきます。
