この記事は、のんびり理系おじさんがWiFiルータを使ったインターネット制限のブログを始めるに至ったキッカケを説明します。今の子ども達は、自宅でも学校でも、塾でもどこにいても、情報機器と繋がっています。WiFiルータの活用で、子どもの健全な成長促進につなげます。
コロナ禍により、多くの学校でオンライン授業・リモート学習が増加しました。これにより、タブレット、パソコン、スマホなどの情報端末を日常的に使う環境が整備され、中高生がデジタル機器に触れる時間も飛躍的に増加しました。教育のデジタル化による環境の変化は、対面授業の減少によるコミュニケーション不足と、子どもたちがスマホやインターネットの世界に依存しやすくなる土壌を生み出しました。
スマホに依存する状況は、スマホやパソコンといった情報を端末を使い、インターネット接続を通じてコンテンツを利用する時間が長くなるほど悪化するため、様々な方法で、子どものコンテンツ利用を制限する必要があります。しかし、情報端末に触れる機会の増加に対して、コンテンツ利用を制限する方法はあまり多くありません。以前から存在するペアレンタルコントロールであるアプリを使った制限は、「安心フィルタ 解除」と調べると、様々な解除方法を説明したYouTube動画が出てくる状況で、インターネット利用を制限する効果は殆どありません。
そこで、スマホそのものではなく「通信経路」に制限をかけるWiFiルータでインターネット利用を制限することが重要になります。ところが、WiFiルータを使ったインターネット制限を説明したページを探しても、特化して説明しているページは皆無に等しい状況でした。多くの保護者は、対策にはWiFiルータを活用した制限が有効と知っていても、実際に設定するには高いハードルがあり、インターネット利用制限を稼働することができていないのです。のんびり理系おじさんは、そんな現状を打開しようと思いました。
スマホやパソコンといった情報端末に触れる機会の増加に対応するべく、WiFiルータでのインターネット制限方法に特化した分かりやすい記事を作り始めたのです。この記事では以下のことが分かります。
記事のポイント
- スマホだけに頼った制限が無意味な理由を知る
- 情報に触れる機会が増えたのに、制限の方法は増えていないことを知る
- 機能名称や制限動作には規格がなくメーカによりバラバラなのを知る
- のんびり理系おじさんの記事を読んでWiFiルータをもっと知る

スマホのアプリ制限が無意味な理由
スマホのペアレンタルコントロールだけで、インターネットを制限できると考えるのは大きな間違いです。スマホのアプリでは、まともに、インターネットの利用を制限できないと認識すべきです。
容易に解除できる
スマホのアプリによる制限は、解除用のパスコードやApple ID/Googleアカウントの情報を知ってしまえば簡単に外せます。また、ネット上には解除方法の情報が溢れており、YouTubeで解除方法を丁寧に説明しているページも多くあるため、少し調べれば解除方法は簡単に入手することができます。人間は、制限されるほど、どうにかして突破したいという動機を強くなるため、容易に解除できるアプリを使ったインターネット利用制限は、解除されることを前提に準備しておく必要があります。 この記事では、「安心フィルター」の限界と、子どもをスマホ依存から守るためのより効果的な対策について解説します。安心フィルターは、ドコモ、au、ソフトバンクといった大手キャリアが提供しています。一見する ...
【子育てコラム】ちゃんと設定したはずの安心フィルターの時間制限が解除される原因を徹底解析
時間制限しかできない
ペアレンタルコントロールは、○時~○時といった決められた時間帯のスマホ操作を制限します。ところが、スマホ依存の傾向のある子は、限られた時間を、勉強と遊びを両立させ有効的に使うよりも、時間内で遊びに使い切ることに執着し、かえってスマホ使用が中毒的になる危険性があります。時間制限だけで、子どもをインターネットから引き離せると安心すべきではありません。
通信内容まで制限できない
ペアレンタルコントロールは、どんなサイトにアクセスしたか、どんな通信をしているかまで細かく制御・確認することはできません。特に、SNSや動画アプリ、匿名チャット系サービスの利用状況までは把握しづらく、有害情報の接触や過剰使用の兆候を見落とす可能性があります。WiFiルータを使えば、パケットフィルタリング機能の設定により、IPアドレスを指定して、通信内容そのものをブロックすることができます。 この記事は、WiFiルータがインターネット利用を制限する機能であるパケットフィルタのメリットとデメリットを説明したものです。パケットフィルタを搭載したWiFiルータは一部のメーカに限られますが、特定の ...
【機能ガイド】ルーターを使ったパケットフィルタリングのメリット6選デメリット5選をあげてみた
アプリ内ブラウザは無力
多くのSNSやチャットアプリには「アプリ内ブラウザ」があり、制限をすり抜けてWebサイトや動画サイトを自由に閲覧できます。ペアレンタルコントロールは、アプリ単位で制限します。安心フィルタの場合、ChromeやSafariといったWebブラウザの代わりとなる別アプリを用意し、Webサイトや動画サイトへのアクセスを制限します。ところが、LINEなどライフラインに近いSNSはアプリ起動を制限できません。LINEの中に実装されたアプリ内ブラウザからのサイトアクセスは、ペアレンタルコントロールで制限することができません。WiFiルータを使えば、DNSルーティング機能により、URLを指定して、どのアプリからアクセスしてもブロックすることが可能です。 この記事は、古いWiFiルータに搭載されたDNSルーティング機能を解説し、インターネット制限する場合の使われ方と、現在のWiFiルータに搭載されなくなった理由を説明します。 DNSルーティングは、登録 ...
【機能ガイド】レジェンド制限機能のDNSルーティングとは!機能を深堀して公開してみた
制限を突破されると無力
スマホだけでインターネットの利用を制限するのには限界があります。抜け穴がいっぱいあるのです。もし、子どもがそういた抜け穴を見つけて、SNSや動画アプリ、匿名チャット系サービスを楽しんでいる状況になっても、親が気が付くのには時間が掛かります。そして、対策をしたとしても、子どもは他の抜け穴を探します。いたちごっこになのです。
WiFiルータを使えば、パケットフィルタリングの設定により、特定のIPアドレスやポートをブロックすることで、抜け道を事前に塞ぐことができます。ペアレンタルコントロールによる制限を突破されても、慌てることはありません。
理系の子には、ほぼ無意味
理系・ITに関心のある子どもにとって、スマホのペアレンタルコントロールの解除は、パズル攻略みたいなものです。インターネット上で情報を検索して解除方法を見つけ、制限を解除することは、彼らの好奇心を満足させる過程のひとつにしかすぎません。
WiFiルータの通信制御は、WiFiの設定を変更する必要があります。スマホの知識では対応できない技術的な壁は、理系タイプの子どもにも有効です。また、WiFiルータで制限しているため、スマホを使って解除を試みても制限を外すことはできません。
デジタル端末の利用時間が増加
スマホ依存が増加した原因は、コロナ禍に、多くの学校が対面授業からオンライン授業・リモート学習へと急速に切り替わったことが影響しています。タブレット、パソコン、スマホなどの情報端末を日常的に使う環境が整備され、中高生がデジタル機器に触れる時間が飛躍的に増えたのです。教育のデジタル化を進めたことで、子どもたちがスマホやネットの世界に依存しやすくなる土壌を生み出しました。
これは、子どもたちに大きな影響を与えています。皆さんのご家庭でも、夜遅くまでスマホを手放さない子どもに、困った経験はありませんか?我が家でもこんな状況になっています。

うちの子、ずっと居眠りしているのよ


昨日も深夜3時頃までスマホを触っていたわ
さすがに「もう、寝なさい!」って怒ったわ
安心フィルタを掛けていたはず


触っていたら外れたと言っているけど、
インターネットで調べて外したみたい
YouTubeやゲームをし放題という事か
困ったなぁ・・・

情報端末に触れる機会が増えた
コロナ禍以前は、家庭でスマホ使用時間のルールを決めていた家庭も多く、子どもがデジタル機器に触れる時間は限定的でした。ところが、コロナ禍以降は、学習目的で情報端末の使用が推奨・許可されるようになり、結果的に長時間の利用が常態化しています。さらには、複数の情報端末(学校貸与のタブレット、子どものスマホ、家庭用パソコンなど)に触れることで、保護者は、子どもの情報端末の使用状況を完全に把握することが困難になっています。
リモート授業は監視できない
オンライン授業は、生徒が実際にどのように情報端末を使っているかを教師や保護者がリアルタイムで確認することが難しく、表面上は授業を受けているように見えても、裏ではSNSや動画を見ているといった「ながら学習」が可能です。
自律的に学習する習慣が身についていない中高生には、誘惑に負けやすい状況を生み出しています。また、少子化の影響により、成績が悪くても、お金さえあれば大学まで進学できる時代です。出席すれば単位がもらえるリモート授業は、子どもから学習意欲を削ぎます。
勉強と遊びの境界が不明確
タブレットやスマホは、「学習アプリ」も「娯楽アプリ」も同じ端末で利用できるため、子ども達にとって勉強と遊びの区別が曖昧になりがちです。特に、勉強中にLINE通知が気になったり、気分転換でYouTubeを見るといった事を続けていると、集中力が続かない、すぐに気が散る落ち着きがない子どもになってしまいます。
思春期でコミュニケーションが取りづらい
中高生は、思春期特有の心理的変化により、親や教師との直接的なコミュニケーションを避けがちになります。気が合う仲間とは、スマホを通じたSNSやチャットなど、間接的で気軽なやりとりになり、スマホを通じたコミュニケーションが唯一の安心できる「居場所」や「相談相手」になってしまい、結果的に深刻なスマホ依存の状況に悩まされるケースもあります。
子どもの成長には差がある
情報端末との距離感や、使いすぎないセルフコントロールの能力は、子どもの年齢だけでなく個人の性格・発達段階によって大きく異なります。同じ学年でも、「目的意識を持って使える子」は意識的にスマホと距離が取れるし、「自分に甘くダラダラ使ってしまう子」はスマホを手放さそうとしません。色々な成長状態の子どもが混在したなかで、全員に等しく自由にスマホ利用することを許可すると、スマホ依存に陥る子は、より深刻な状態になります。保護者は、子どもたちすべてに同じ対処方法をせず、子どもに合わせて適切な環境を整える必要があります。
WiFiルータの特化ページが少ない理由
WiFiルータのようなネットワーク機器を設定するには、情報通信についてもある程度の知識が必要です。多くの保護者が「スマホ依存を解消するにはWiFiルータを使った制限が有効」と知っていても、WiFiルータの選定や購入後の設定にあたっては高いハードルがあります。その理由は、以下のとおりです。
メーカにより機能名がバラバラ
WiFiルータには、子どものインターネット利用を制限する機能が備わっている場合が多いですが、機能名称はメーカーごとに統一されていません。例えば、NECのAtermシリーズの「MACアドレスフィルタリング」と呼ばれる機能は、バッファローのAirStationシリーズでは「MACアクセス制限」、エレコムでは「アクセスコントール」と名称がバラバラです。 この記事では、キッズタイマーのベースとなったMACアドレスフィルタを使ったインターネット利用制限を説明します。WiFiルータには、レジェンド機能であるMACアドレスフィルタが搭載されています。WiFi ...
【機能ガイド】キッズタイマの草分け機能MACアドレスフィルタリングの効果6選をあげてみた
WiFiルータに搭載されたペアレンタルコントロールも同様です。NECのAtermシリーズの「こども安心ネットタイマー」と呼ばれる機能は、バッファローのAirStationシリーズでは「キッズタイマー」、エレコムでは「こどもネットタイマー3」と名称がバラバラです。 この記事は、WiFiルータのインターネット利用制限であるキッズタイマー導入のメリットを紹介します。最近のWiFiルータには、キッズタイマーが搭載されています。多くのWiFiルータで採用される理由を知る ...
【機能ガイド】Wi-Fiルーターのキッズタイマーを利用したネット制限のメリット8選をあげてみた
このように機能名称がバラバラなため、自宅のWiFiルータで動作させたい機能を見つけにくく、インターネットの情報も様々なメーカの機能名称で書かれているため、混乱しやすいのが実情です。
メーカにより機能動作は異なる
さらに、この状態を複雑にしているのは、同等とされる機能も、メーカによって動作に相違があることです。IEEEを始めとする標準規格団体で決められているのは、無線WiFiの接続手順だけであり、インターネット利用を制限する機能は統一化がされていません。
最悪な場合、同じ制限機能と呼ばれていても、実際には全く異なることや、同じメーカで、同じ機能名称でも、発売時期によって動作が異なることもあります。WiFiルータの購入前に、どういった違いがあり、どこまで制限できるか事前に把握しづらく、「機能があると思って買ったら、必要な制限ができなかった」というケースもあります。
機能がなくなっている場合がある
昔の機種には存在していたインターネット利用を制限する機能が、ひっそりと廃止されていることもあります。例えば、NECのAtermシリーズでは、「DNSルーティング」や「省電力設定」などの機能は、新しい機種では省略されてしまいました。「以前はできたのに、今はできない」といったケースも起こります。こうした変化は説明されることが少なく、購入後に気づくことが多いのも混乱の原因です。
ネットワークの広い知識が必要
WiFiルータ設定には、IPアドレス、MACアドレス、DNS、ポート番号、SSIDなど、専門用語が多く登場します。一部の制限設定では、子どもの端末のMACアドレスを指定したり、IPアドレスを個別にブロックしたりと、一般の保護者には直感的でない操作が必要です。設定をしたつもりでも、実際には何も制限できていなかったという事態も発生しやすくなります。
まとめ
情報通信のシステム設計に長年かかわった、のんびり理系おじさんは、WiFiルータの選定やインターネット利用の制限機能を設定することができます。名称の違いや機能の違いなど、きちん説明できるので、おじさんが記事を書かねばと思いました。
コロナ禍をきっかけに、中高生の生活は大きくデジタル依存に傾き、情報端末の活用は今後も続いていくと思います。これからは、「使わせる」ことよりも「どう管理するか」が重要になります。WiFiルータによるインターネット利用制限や、利用環境全体の見直しが、スマホ依存の対策のカギとなります。もちろん、子どもが情報端末と適切な距離感を保ち、使いすぎないセルフコントロールできることが良いのですが、子どもが自分で制御できない状況にある場合は、親が強制的に環境から制限を加えることが必要不可欠です。のんびり理系おじさんが書いた記事を参考に、WiFiルータを使って、手軽のインターネット制限をしてください。手軽にWiFiルータを使ってもらうため、技術的なハードルを下げる記事を心掛けます。
最後まで読んでいただき、まことにありがとうございました。のんびり理系おじさんは、読者の皆さまのお子様の成長を心よりお祈り申し上げます。どうしようもないとき、このページを参考にインターネット利用制限を行ってください。おじさんは、これからも、皆様の子育てのお役に立てる情報を発信していきます。