この記事は、WiFiルータのインターネット利用制限機能のひとつであるゲストSSIDのメリットとデメリットを解説したものです。成果に応じてインターネット接続を許可することで、子どもの健全な成長を促進します。
WiFiルータ取扱説明書の機能紹介でゲストSSIDは、友人が自宅に遊びにきた時に、友人の端末を自宅WiFiに接続するために使用すると書かれています。

ゲストSSIDは、友人に自宅WiFiを開放する使い方が本来の目的ですが、タイマー付きのゲストSSIDは、子どものインターネット利用を制限することにも使用することができます。
この記事では、マルチSSIDやゲストSSIDの生い立ちを説明した上で、インターネット利用制限に使用したときのメリットとデメリットを解説します。
なお、タイマー機能が無いゲストSSIDは、同じ名称でも、成果報酬型のインターネット利用制限ができないことに注意をしてください。
タイマー機能を搭載したゲストSSIDのみが、インターネット利用を制限できる真のゲストSSIDです。
記事のポイント
- ゲストSSIDの概要を知る
- 成果報酬型のネット制限を知る
- メーカの実装状況を知る
- 子どもの成長を促進を考える
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ゲストSSIDの概要
SSIDといっても、私の友人が集めている旧ドイツの軍服に付ける親衛隊(シュッツシュタッフェル:SS)のIDではありません。
アイスバインとビール!
ネットワーク用語は、アルファベットが多いです。まずは、皆さんの頭を悩ませているSSIDの説明をしたいと思います。
SSIDとは
SSIDとは、Service Set Identifierの事で、WiFiにアクセスするための識別子です。
無線は、色がなく、味もなく、匂いもありません。もちろん人間の耳で聞き分けることもできません。そこで、提供する無線サービスごとに識別IDを作ります。
少し前までは、2.4GHz帯はSSIDに「〇〇〇〇_g」と名前の最後の「g」を付け、5.0GHz帯はSSIDに「〇〇〇〇_a」と名前の最後の「a」を付けました。
2.4GHz帯は障害物に強く、5.0GHz帯は伝送スピードが速い無線帯域の特長があります。
これまでのWiFiルータの利用者は、SSIDを手動で切り替えることで、2.4GHzと5.0GHzという2つの無線帯域を使い分けていました。
SSIDにgやaが付かない
「いやいや、ウチのWiFiルータのSSIDには、aとかgとか付いていないよ。」そう思ったあなたは正解です。
最近のWiFiルータは、バンドステアリングという機能が搭載されているのでSSIDの末尾に「a」とか「g」が付きません。
バンドステアリングは、帯域の使用状態や電波の強さを自動的に判断して、2.4GHz帯と5.0GHz帯を自動的に切替えます。

自動で切り替える目的は、端末がWiFiルータから遠くにあるときは2.4GHz帯を、逆にWiFiルータの近くにあるときは5.0GHz帯を利用するためです。
種は数の自動切り替えは、障害物に強い2.4GHz帯と、伝送スピードが速い5.0GHz帯のメリットを最大限に生かすことができます。
最近のWiFiルータは、バンドステアリングを使うのが一般的です。
複数のSSIDを作るメリット
バンドステアリングで、SSIDが1つに集約できて便利になった説明をしたばかりですが、ここからは、複数のSSIDが必要になってきた理由を説明します。
「おいおい、舌が乾かないうちに、さっきと反対の話をするじゃないか!」と思われるかも知れませんが、ここがキーになる大事な話です。
複数のSSIDが必要になってきた理由は、認証方式や暗号化の多様化と、情報漏洩やデータ破壊などセキュリティ・リスクへの対応です。
認証技術と暗号化の最新化
無線を使ったWiFi上でのデータのやりとりは、電波が届く範囲の不特定多数が通信データを傍受することができます。
もちろん、暗号化されたデータなので容易に中身を確認できませんが、高性能なコンピュータと時間さえ掛ければ、暗号の解読は可能です。
暗号は解読される!
秘匿性を保つには、常に最新の認証技術と暗号化を採用する必要があります。
古い端末の接続サポート
最新の認証技術と暗号化を採用するには、WiFiルータだけではなく、パソコンやスマホといった端末も最新の認証技術と暗号化に対応しなければなりません。
自宅で利用する古い端末に合わせて、古い認証方式や暗号化にすると、情報漏洩などのリスクが急激に高まります。
逆に、最新の認証方式や暗号化にすると、今度は、古い端末がWiFiルータに繋がらなくなってしまいます。
それゆえ、新旧が混在する端末が存在する現在のWiFi環境では、提供する認証方式や暗号化ごとに、複数のSSIDを用意する必要がでてきました。

以前は無線周波数により複数のSSIDを必要としましたが、現在は認証方式や暗号化の種類に合わせた複数のSSIDが必要です。この機能はマルチSSIDと呼ばれます。
ゲスト向けSSIDの必要性
提供するサービスごとに異なるSSIDを選べるマルチSSIDは、様々な認証方式と暗号化の同時利用できるようになりましたが、自宅WiFiルータに接続するのは家族が使用するスマホなどの端末だけではありません。
最近のゲームは、インターネットに接続しないと対戦や協力プレイで遊ぶことができません。
つまり、友人が自宅に遊びに来たときは、一緒にゲームをするために自宅WiFiのSSIDとパスワードを教える必要があります。
セキュリティ・リスクの低減
友人に自宅WiFiのSSIDとパスワードを教えても、多くのケースは、情報漏洩やデータ破壊といったセキュリティ・リスクは生じません。
しかし、友人の端末が、本人が知らぬうちに悪意のあるウイルスに感染していた場合はどうでしょうか。
セキュリティのリスクが増大し、自宅ネットワークと接続する端末の情報漏洩や、ネットワークストレージのデータ破壊といった損害を生じる可能性があります。
もちろん、損害は故意ではないので、友人を責めるわけにもいきません。

これらリスクを回避には、家族以外が利用するゲスト用のSSID作ります。
セキュリティを強化するために、ゲストSSIDから接続する端末は、自宅内のネットワークへ接続することができません。
自宅ネットワークの端末と友人端末の通信を遮断することは、セキュリティ・リスクの低減になります。
WiFiただ乗りの回避
ゲストSSIDを搭載する一部のWiFiルータには、タイマー機能を有するものがあります。
なぜ、タイマーが必要なのでしょうか。
それは、多くの端末が接続できるよう最新ではなく、一般的な認証方式や暗号化を採用しているからです。
一般的な認証方式や暗号化を採用するゲストSSIDは、WiFiただ乗りしやすい状況になります。
WiFiただ乗りするだけならマシですが、特定のサーバに悪意のある攻撃をするサイバーテロの片棒を担がされる危険性もあります。

本来、利用が終わったら、ゲストSSIDの設定は、すみやかにオフにすべきですが、ゲストSSIDの利用終了を忘れてしまうことがあります。
一定時間経過後に自動的にゲストSSIDの提供を終了させるタイマーを搭載することで、WiFiをただ乗りされることを回避します。
ネット制限のイメージ
タイマーのあるゲストSSIDを使ったインターネット利用制限について説明します。
ゲストSSIDが、他のインターネット利用制限と大きく違うのは、動作をONにしないとゲストSSIDを使ったインターネット接続ができないことです。
キッズタイマーは、勉強や課題が終わっていないのにインターネットに接続できるスケジュール設定をした時間帯に遊んでしまうことがあります。
しかし、ゲストSSIDは、有効にしてから数時間しかインターネットを利用することができません。
勉強や課題が終わらないときは、その日はインターネットに接続させないといった使い方もできます。

ゲストSSIDは、成果報酬として、インターネット利用の許可時間を決めれるので、子どもの状態に合わせて柔軟にインターネットの利用を制限することができます。
ゲストSSIDのメリット
ゲストSSIDを利用したインターネット利用制限のメリットを説明します。

成果報酬型のネット制限
WiFiルータに搭載されたタイマーを利用したインターネット利用制限で、唯一、成果報酬型の管理できるのがゲストSSIDです。
ゲストSSIDは、本来、友人が自宅へ遊びに来た時に自宅WiFiルータからインターネットへ接続できるようにするものですが、子どものインターネット利用制限にも利用することができます。
例えば、キッズタイマーと同時に使用するイメージは、キッズタイマーで利用できる時間を短くし、追加でインターネット接続する時間をゲストSSID管理します。
キッズタイマーのスケジュールに加えて、勉強や課題の進捗状況に合わせて、それらが早く終わったらインターネット利用制限を増やすといった感じでしょうか。

なお、キッズタイマーは、大きな抜け道があるので、子どもが中高生になったら過信しないでください。
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メーカの採用実績が多い
多くのWiFiルータは、ゲストSSIDやマルチSSIDに対応しています。
しかし、タイマーを実装し、かつ、2.4GHzと5.0GHzの両方に対応している製品となるとバッファローのAirStationシリーズしかありません。
ゲストSSIDは、WiFiの規格で決められた機能ではないため、メーカの各製品により、機能の有無や設定できる内容が大きく異なります。
表にまとめましたが、購入前には、しっかり取扱説明書を読んで機能の確認をした方が良いでしょう。
トップページから設定が可能
現行の製品ラインナップで、トップページからゲストSSIDの利用を開始できるのは、バッファローとエレコムです。
それぞれのトップ画面について詳しく説明していきましょう。
バッファロー(ゲストポート)
バッファローのWiFiルータのトップ画面です。バッファローではゲストSSID機能を「ゲストポート」と呼んでいます。
トップ画面のスイッチで容易にゲストポートをオンにすることができます。

トップ画面にゲストポートを表示するには、ルータモード、もしくは、アクセスポイントモードでWiFiルータを起動させてる必要があります。
中継器モードでは、ゲストポートは表示されません。
エレコム(友だちWi-Fi)
エレコムのWiFiルータのトップ画面です。エレコムではゲストSSID機能を「友だちWi-Fi」と呼んでいます。
トップ画面のスイッチで容易に友だちWi-Fiをオンにすることができます。

友だちWi-Fiを表示させるには、ルータモードで起動する必要があります。
アクセスポイントモード、中継器モード、子機モードでは友だちWi-Fiは表示はされません。
エレコムでゲストSSIDを利用する場合、WiFiルータは、必ずルータモードで起動しましょう。
友だちに自宅WiFiを開放
ゲストSSIDの本来の使い方は、友人が自宅に遊びにきた時に、自宅WiFiを開放することです。
しかも、ゲストSSIDは、基本的には自宅内のネットワークに接続できません。インターネットに接続することのみ許可します。
自宅のネットワークと分離させることで、友人の持ってきたパソコンやスマホといった端末がウイルスに感染していたとしても、自宅内のネットワークのパソコンやスマホにウイルスが感染することはありません。
友人の端末が自宅内のネットワークに接続できないことで、セキュリティ・リスクを抑える事ができます。
ネット利用時間を制限できる
タイマー付きのゲストSSIDは、インターネットの利用時間を制限することができます。
子供が勉強や課題を終わらせたご褒美に、スマホでインターネットを利用することを許可するという使い方です。
なぜ、キッズタイマーのようなスケジュール型の管理ではなく、ゲストSSIDのような利用時間の制限が良いのでしょうか。
それは、スマホを使う時間と学力の比例して低下するためです。東北大学加齢医学研究所の川島隆太教授と仙台市の共同研究を参考にすると、

引用元:スマホ使いすぎると「勉強が台なしに」 脳トレ・川島隆太教授がデータで解説
スマホを使う時間が増えれば増えるほど、テストの成績や偏差値は落ちていきます。
キッズタイマーは、接続を許可する時間帯をスケジューリングしますが、許可する時間帯が数時間になることはないでしょう。
ゲストSSIDは、利用する直前に機能をオンにして、時間が経過したら自動的にオフになるので、無理なくインターネットの利用時間を制限することができます。
ゲストSSIDのデメリット
次に、ゲストSSIDのデメリットについて説明します。
開始時に操作が必要
キッズタイマーや省電力設定は、時間帯をスケジューリングし、制御が必要な時間帯になれば自動的にインターネットの利用を制限します。
一方で、ゲストSSIDは、使うときに毎回、WiFiルータの設定画面を表示して、動作を開始しなければなりません。
WiFiルータのトップ画面にアクセスして、機能をオンにするだけですが、トップ画面を表示するには、設定を行う端末を自宅のプライベートネットワークに接続する必要があります。

スケジュールで時間帯制限を行うキッズタイマーと比較すると、ゲストSSIDは、インターネットの利用を承認するたびに設定が必要なので、面倒と感じることがあるでしょう。
結果として、友だちと自宅で遊ぶ以外は、ゲストSSIDを使わないといった状態になってしまう可能性があります。
タイマ付きゲストSSIDが少ない
マルチSSIDやタイマーのないゲストSSIDを実装するメーカは多いですが、タイマー付きのゲストSSIDを実装するメーカは限定されます。
タイマー付きのゲストSSIDの利用がWiFiルータの選定条件となる場合は、バッファローのAirStationシリーズを選定するしかありません。
バッファローはWiFi販売数トップですが、バッファローAirStationシリーズにも弱点はあります。
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使用後のSSIDオフを忘れる
タイマーなしゲストSSIDの場合、ゲストSSIDのオンにしたまま忘れてしまう事があります。
ゲストSSIDの認証方式や暗号化が最新ではない場合、WiFiただ乗りやサイバーテロの踏み台にされることがあります。
インターネット利用制限にタイマーなしゲストSSIDを使用する場合は、オフにするまでインターネット接続し放題の状態になってしまいます。
自宅ネットワークに接続できず
ゲストSSIDから接続した端末は、自宅内のネットワークに接続できません。外部にしか繋がらないことが問題になる場合もあります。
例えば、データ保管したストレージが自宅内のネットワークにある場合、ゲストSSIDから接続した端末はデータを取り出すことができません。

また、スマホからインクジェットプリンタに印刷するときも、端末からプリンターに印刷データを送ることができません。
このように、自宅内のネットワークに繋げない事を不便に感じることが多くあります。
ゲストSSIDのまとめ
ゲストSSIDは、WiFiルータに搭載された機能で、唯一、成果報酬型のインターネット利用制限を実現することができます。
友だちが遊びに来たときに、自宅WiFiを開放するときだけ使うのは勿体ないです。
この記事を参考にゲストSSIDを利用したインターネット利用制限することで、子どもの健全な成長につなげてください。
ポイント
- 成果に対して今から○時間といった報酬型の接続管理が可能
- 自宅内のネットワークと分離するので高いセキュリティを実現
- ゲストSSID利用時に、WiFiルータのトップページから開始設定が必要
最後に、読者の皆さまのお子様の成長を心よりお祈り申し上げます。どうしようもないとき、このページを参考に通信制限を掛けてください。今後も、皆様のお役に立てる情報を発信していきます。
