【ルーター選び】光でんわで貸与されるホームゲートウェイは、なぜ「いらない」と言われるのか

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この記事では、多くの方が無意識に使っている通信キャリアのレンタル機器「ホームゲートウェイ」に焦点を当て、いらないと言われる理由を説明します。

通信キャリアが提供するフィルタリングサービスは、賢い子どもたちにとっては簡単に解除できてしまうのが現実です。しかし、WiFiルーター側で利用時間をコントロールすれば、子どもは解除する術がありません。なぜ、ひかり電話を契約した際にレンタルするホームゲートウェイではダメなのか、その役割や欠点をのんびり理系おじさんの視点から分かりやすく解説します。「うちもそうかも!」と思い当たる節がきっと見つかるはずです。そして、イライラする親子喧嘩を減らし、お子さんが自律的にインターネットと付き合うための具体的なヒントをお伝えします。

この記事を読んで分かること

記事のポイント

  • ホームゲートウェイとWiFiルーターの役割の明確な違い
  • レンタル機器を使い続けることで生じるデメリット
  • なぜWiFiルーターが子どものネット制限に効果的なのか
  • 親子でストレスフリーなネット環境を構築するためのヒント

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ホームゲートウェイはなぜ必要なのか

NTT東日本NTT西日本auなどで、「インターネット回線の工事をしたら、よく分からないけどこの機械が置かれていった…」多くの方がそんな認識ではないでしょうか。この「ホームゲートウェイ」という箱、実は光回線でインターネットやひかり電話を使うために非常に重要な役割を担っています。まずは、この機器の正体と基本的な役割について、一つひとつ見ていきましょう。

ホームゲートウェイがなくても使えるか

結論から言うと、多くの場合、ホームゲートウェイがないとインターネットやひかり電話は使えません。特に、光回線と同時に「ひかり電話」を契約しているご家庭では必須の機器です。

ホームゲートウェイは、大きく分けて3つの役割を一台でこなしています。一つ目は、光ファイバーの光信号をPCやスマホが理解できるデジタル信号に変換する「ONU(光回線終端装置)」や「モデム」としての役割。二つ目は、その信号を複数のPCやスマホに分配する「ルーター」としての役割。そして三つ目が、「ひかり電話」を使うための役割です。

もし、ひかり電話を契約しておらず、インターネット接続のみの契約であれば、ホームゲートウェイの代わりに、ONUと市販の高性能WiFiルーターを組み合わせることも可能です。しかし、契約内容によってはホームゲートウェイの利用が必須となっているケースもあるため、一概に「なくても大丈夫」とは言えないのが現状です。まずはご自身の契約内容を確認することが第一歩となります。

ホームゲートウェイを解約できるのか

「ひかり電話」を解約すれば、ホームゲートウェイも解約できる場合があります。前述の通り、ホームゲートウェイの重要な役割の一つが「ひかり電話の利用」です。そのため、ご家庭で固定電話をほとんど使っておらず、「ひかり電話はもういらない」と判断した場合は、通信キャリアに連絡してひかり電話を解約することで、ホームゲートウェイのレンタル契約を解除できる可能性があります。

ただし、注意点が2つあります。一つは、解約すると当然ながら固定電話が使えなくなること。もう一つは、解約後に通信キャリアからONU(モデム機能のみのシンプルな機器)が新たに送られてくる場合があることです。このONUにはルーター機能がないため、複数の端末でインターネットを利用するには、別途ご自身で市販のWiFiルーターを用意する必要があります。

つまり、ホームゲートウェイの解約は、月額レンタル料の節約や、後述する高性能な市販ルーターへ乗り換えるための第一歩と言えるでしょう。ご家庭の電話の利用状況を一度見直してみてはいかがでしょうか。

ホームゲートウェイがあればルーターはいらないか

基本的な機能だけで満足できるなら、別途ルーターは必要ありません。 なぜなら、ホームゲートウェイ自体にルーター機能が内蔵されているからです。ルーターの基本的な役割は、1つのインターネット回線を、複数のPCやスマホ、ゲーム機などで共有できるように「交通整理」をすることです。ホームゲートウェイにはこの機能が含まれているため、箱からLANケーブルをPCに繋いだり、WiFiのパスワードを入力したりするだけで、すぐに複数の端末でインターネットが利用できます。

しかし、これはあくまで「最低限の機能」が備わっているに過ぎません。例えば、最新のWiFi規格に対応していなかったり、たくさんの端末を同時に繋ぐと通信が不安定になったり、そして、このブログのテーマである「子どものネット利用を細かく制限する機能」が十分ではない状況があります。

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ホームゲートウェイとモデムの違いはなにか

この2つの違いを理解すると、ご家庭のネット環境がスッキリと分かります。一言でいうと「翻訳家」がモデムで、「司令塔」がルーター、そしてその両方を兼ね備えた多機能機が「ホームゲートウェイ」です。

もう少し詳しく説明しますね。インターネット回線には光ファイバーや電話線など様々な種類がありますが、それぞれ異なる形式の信号で情報が送られてきます。これをPCやスマホが理解できる「デジタル信号」に変換(翻訳)するのがモデム(光回線ではONUとも呼ばれます)の役割です。モデムだけだと、1台の機器しかインターネットに接続できません。

そこで登場するのがルーターです。ルーターは、モデムが翻訳した信号を受け取り、「この情報はスマホへ、この情報はPCへ」というように、複数の端末に効率よく情報を振り分ける「司令塔」の役割を果たします。そしてホームゲートウェイは、この「翻訳家(モデム/ONU)」と「司令塔(ルーター)」の役割を一台でこなし、さらに「ひかり電話」機能まで付いている、いわば“全部入り”の便利な機器というわけです。

ホームゲートウェイの料金はいくらか

ホームゲートウェイは基本的にレンタル品であり、月額料金が発生します。料金は契約している通信キャリアやプランによって異なりますが、無線LANを使用する場合、概ね月々300円~600円程度が相場です。「たった数百円か」と思われるかもしれませんが、年間で考えると約3,600円~7,200円の出費になります。これが2年、3年と続くと、1万円以上の金額を支払っている計算です。

一方で、高性能な市販のWiFiルーターは、1万円~2万円程度で購入できます。もし、ひかり電話をあまり使うことがなく、ホームゲートウェイを解約できる状況なら、2~3年で元が取れてしまいます。それ以降は、月額料金がかからない分、市販ルーターの方が断然お得です。もちろん、ひかり電話が必要なご家庭では解約できませんが、「なんとなく払い続けている」という方は、このレンタル料金がご家庭の通信環境を見直す良いきっかけになるかもしれません。長期的な視点でコストを考えることも大切ですね。

ホームゲートウェイの欠点はなにか

便利な“全部入り”のホームゲートウェイですが、実はいくつかの無視できない欠点があります。特に、私たち子育て世代にとっては重要なポイントが含まれています。

第一に、WiFiの性能が低いケースが多いことです。通信キャリアから提供される機器は、あくまで汎用的なモデル。最新の高速通信規格に対応していない場合もあります。たとえ、レンタル時に最新規格に対応していたとしても、5年や10年と使い続けるとWiFi規格の古さを実感することになります。

第二に、月額レンタル料がかかり続けること。先ほども触れましたが、長期的に見ると大きな出費になります。
そして、今回の最大のテーマである、ペアレンタルコントロール(利用制限)機能が非常に貧弱である点です。特定の機器の接続を許可・拒否する程度の簡単な機能しかなく、「夜10時から朝7時まではネットを使えなくする」「ゲーム機は1日2時間まで」といった、私たちが本当にやりたい柔軟な設定ができません。これらの欠点が、実は日々の小さなストレスや、子どものネット問題の根源になっている可能性があるのです。


ホームゲートウェイはいらないの真相

ここまでホームゲートウェイの基本的な役割と欠点について見てきました。ここからは、「もしかして、うちもホームゲートウェイを使い続けるのは損かも?」と感じ始めたあなたのために、その真相をさらに深掘りしていきます。子どものネット問題から日々の通信速度の不満まで、具体的なデメリットを知ることで、解決策が明確に見えてきます。

無線WiFiの規格が古いままで速度が遅い

「自宅のネットが遅い…」と感じる原因は、ホームゲートウェイのWiFi規格が古いせいかもしれません。WiFiの規格は、だいたい5~10年ごとに新しくなっており、現在は「Wi-Fi 6」という規格が主流です。これは、一つ前の「Wi-Fi 5」に比べて、通信速度が速いのはもちろん、「たくさんの機器を同時に接続しても速度が落ちにくい」という大きな特長があります。

考えてみてください。現代の家庭には、家族それぞれのスマホ、PC、タブレット、ゲーム機、スマートスピーカー、テレビなど、数多くの機器がWiFiルーターに接続されています。古い規格のホームゲートウェイでは、この大量の通信をうまく捌ききれず、道路の渋滞のように速度低下を引き起こしてしまうのです。

最新の「Wi-Fi 7」や主流の「Wi-Fi 6」に対応した市販ルーターに交換するだけで、まるで高速道路の車線が増えたかのように、家族みんなが同時に使ってもサクサク快適なインターネット環境を手に入れられます。

余分なレンタル費用がかかる

これは非常にシンプルですが、見過ごせない問題です。ホームゲートウェイをレンタルし続ける限り、毎月数百円の費用がかかり続けます。例えば月額600円の場合、年間で7,200円、5年間で36,000円にもなります。この金額があれば、かなり高性能な最新の市販WiFiルーターが購入できますよね。

名 称 無線LAN 無 無線LAN 付
NTT東日本 0円 330~550円/月
NTT西日本 0円 110円/月
au 660円/月

もちろん、レンタルした場合、故障した際に無償で交換してくれるなどのメリットはありますが、市販のルーターも数年で壊れることは稀です。ひかり電話を利用しておらず、ホームゲートウェイを解約できる環境にあるならば、この「見えないサブスク費用」を払い続けるのは、非常にもったいない選択と言えるでしょう。

初期投資はかかりますが、長期的に見れば確実にコストを削減でき、かつ、より高性能で快適なネット環境が手に入るのですから、検討しない手はありません。家計を預かるパパママとしては、こうした固定費の見直しは重要ですよね。

ネットワーク利用制限の機能が貧弱

これこそが、子育て世代にとって最大の問題点です。中学生にもなると、親が「フィルタリングをかけるね」と言っても、「分かった」と素直に聞く子は少ないでしょう。スマホの知識も豊富になり、通信キャリアが提供するフィルタリングアプリなど、いとも簡単に設定を解除してしまいます。

しかし、WiFiルーター側でインターネット接続そのものをコントロールしてしまえば、子どもはスマホ側で何をしようと、ネットに繋ぐこと自体ができなくなります。市販のWiFiルーターの多くは、「ペアレンタルコントロール」や「キッズタイマー」といった強力な機能を搭載しています。これを使えば、

  • 息子のスマホは、平日夜10時~翌朝7時までネット接続をブロック
  • ゲーム機(ニンテンドースイッチなど)は、1日2時間までしかネットに繋がらない

有害サイトへのアクセスをルーター側でブロックといった、端末ごと、曜日ごと、時間ごとに非常に細かいルール設定が可能です。専用のスマホアプリから簡単に設定を完了できる場合もあります。これなら、子どもが自分で解除することはほぼ不可能です。「ルールだからね」と親子で話し合い、システムで制御することで、感情的な衝突も避けられます。

二重ルータになると通信速度が遅くなる

「じゃあ、ホームゲートウェイに市販のルーターを繋げばいいんだ!」と考えた方、少し待ってください。何も考えずに接続すると、「二重ルーター」という状態になり、かえって通信速度が遅くなったり、一部のサービスが利用できなくなったりする原因になることがあります。

これは、司令塔であるルーターが家の中に2台存在してしまい、お互いの指示が混乱してしまう状態です。しかし、解決策は簡単です。ひかり電話を利用していてホームゲートウェイを使い続ける必要がある場合は、ホームゲートウェイかWiFiルーターのいずれかルーター機能をOFFにする「ブリッジモード(APモード)」という設定に切り替えましょう。

例えば、ホームゲートウェイのルーター機能を残したとき、ホームゲートウェイは「司令塔」となり、新しく設置したWiFiルーターは、「フィルタリング」に専念させます。インターネット接続はホームゲートウェイ、WiFiルータはアクセス制限といった分業をすることで、性能を最大限に引き出すことができます。
WiFiルータに搭載される「キッズタイマー」や「こども安心ネットタイマー」といった機能は、ブリッジモード(APモード)でも動作させることができます。設定方法はルーターの説明書に必ず記載されているので、決して難しくありません。のんびり理系おじさんは、このスッキリした構成をおすすめします。

もちろん、二重ルーターもしっかり設定すれば、きちんと仕事をしてくれます。

ホームゲートウェイの設定が面倒

ホームゲートウェイの設定画面を開いたことはありますか? WiFiルーターを作っている国内メーカが作ったホームゲートウェイであれば、ユーザーの声を反映した使いやすい設定画面が搭載されていることが多いです。しかし、海外メーカーやホームゲートウェイだけを作っている国内メーカーが作ったホームゲートウェイの場合、多くは専門用語が並び、どこをどう触ればいいのか分かりにくい、昔ながらのインターフェースです。WiFiのパスワードを変えるだけでも一苦労…なんてことも。

これはレンタル品であるがゆえの宿命で、誰にでも分かりやすいように作られているわけではないのです。そのため、IPネットワークに詳しくない場合、何かトラブルが起きても、原因を特定したり、自分で設定を変更するのはハードルが高いです。

一方で、最近の市販のWiFiルーターは、スマホアプリで誰でも直感的に操作できるように設計されています。接続されている端末の一覧表示、ゲスト用のWiFi設定、そして先ほど紹介した「キッズタイマー」や「こども安心ネットタイマー」の設定まで、すべて手元のスマホでサッと行えます。「今、どの機器がネットに繋がってるかな?」と確認するのも簡単です。

このWiFiルータの「管理のしやすさ」は、日々の小さなストレスを軽減してくれる、非常に大きなメリットと言えるでしょう。

ひかり電話を使わなくなった

最後のポイントは、ご家庭のライフスタイルの変化です。かつては一家に一台あった固定電話も、今では家族全員がスマホを持つようになり、ほとんど使わなくなった、というご家庭も多いのではないでしょうか。もし、かかってくる電話がセールスばかりで、自分たちからかけることは年に数回…という状況であれば、思い切って「ひかり電話」を解約するのも一つの賢い選択です。

ひかり電話を解約すれば、ホームゲートウェイをレンタルし続ける義務から解放されます。通信キャリアから送られてくるシンプルなONU(モデム)に、ご自身で選んだ高性能な市販WiFiルーターを接続するだけで、スッキリとした最適なインターネット環境を構築できます。

月々の電話基本料とホームゲートウェイのレンタル料がなくなり、通信費の節約にも繋がります。この機会に、ご家庭での固定電話の必要性を一度見直してみてはいかがでしょうか。

まとめ

今回は、多くの方が何気なく使っている「ホームゲートウェイ」について、その正体から子育て世代が見過ごせない欠点まで、詳しく解説してきました。

ホームゲートウェイが光回線における「翻訳家(モデム)」と「司令塔(ルーター)」、そして「ひかり電話」の機能を兼ね備えた便利な機器であることを確認しました。しかし、その利便性と引き換えに、レンタル料金が発生し続けることや、機能・性能が最低限であるという側面も持っています。

その欠点をさらに深掘りしました。WiFi規格が古く速度が遅いこと、長期的に見るとコストがかさむこと、そして何より、通信キャリアのフィルタリングを簡単に突破してしまう子どもたちのインターネット利用を効果的に管理する「ペアレンタルコントロール」機能が絶望的に弱いという、子育て世代にとっての核心的な問題点を明らかにしました。

結論として、お子さんのスマホやゲームの時間をめぐる親子喧嘩に疲れ果てているのなら、その解決策は「高性能な市販WiFiルーターの導入」にあります。ルーター側で接続時間を制御すれば、子どもは為す術がありません。これは、感情的に叱るよりもずっとスマートで確実な方法です。月々のレンタル料を未来への投資と考え、ご家庭に合ったWiFiルーターを選ぶことで、親子喧嘩のストレスから解放され、かつ家族全員が快適に使える高速なインターネット環境の両方を手に入れることができるのです。

最後まで読んでいただき、まことにありがとうございました。のんびり理系おじさんは、読者の皆さまのお子様の成長を心よりお祈り申し上げます。どうしようもないとき、このページを参考にインターネット利用制限を行ってください。おじさんは、これからも、皆様の子育てのお役に立てる情報を発信していきます。

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たりを

技術士(電気電子部門:情報通信)、労働安全コンサルタント『のんびり理系おじさん』です。情報通信分野で、光伝送装置の開発、システム設計、据付調整など25年以上携わった経験を生かして、通信機器を使って生活を豊かにする情報を発信していきます。今やスマホがない生活は考えられません。自宅のWiFiルータを使い倒す方法を中心に紹介します。

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