この記事では、お子様のインターネット利用時間にお悩みのパパママに向けて、Wi-Fiルーターの活用法を解説します。今回は、インターネット回線を契約した際に送られてくる「ホームゲートウェイ」という機器を取り上げて説明します。
多くの方が、インターネット回線を契約した際に送られてくる「ホームゲートウェイ」をそのまま使っているのではないでしょうか。ホームゲートウェイは、機種を選ぶことができず、機能的な限界があることでお悩みだと思います。そこで有効なのが、高性能な市販のWi-Fiルーターを追加する「二重ルーター」という考え方です。一見難しそうに聞こえますが、家庭内でのインターネット利用状況の管理を驚くほど簡単に実現することができます。この記事を読めば、なぜ二重ルーターが必要なのか、その仕組みとメリットが分かり、お子様のネット利用を適切に管理する具体的な方法が見えてきます。

この記事を読んで分かること
記事のポイント
- ホームゲートウェイの基本的な役割
- ルーターとの機能的な違いについて
- 二重ルーターの仕組みと設定理由
- 子どものネット利用制限への応用方法
ホームゲートウェイとは
NTT東日本、NTT西日本、auなどで、ひかり電話と合わせてインターネットを契約すると送られてくる白い(または黒い)機器が「ホームゲートウェイ」です。これが一体何者で、よく聞く「ルーター」と何が違うのでしょうか?まずはお子様のネット問題を解決するための第一歩として、この機器の基本から分かりやすく解説していきます。
ゲートウェイとルータの違いは
「ゲートウェイ」と「ルーター」、雰囲気的には似たような名称ですが、役割が少し違います。
| 名 称 | 役 割 |
| ルータ | 複数の端末(スマホ、PC、ゲーム機など)を家庭内ネットワークに接続し、端末間の通信を整理する「交通整理役」です。 |
| ゲートウェイ | LANケーブルと物理的に異なるインタフェースを持った機器を繋ぐ「出入口」の役割を担います。 |

つまり、ルーターが家の中の各部屋を繋ぐ廊下だとすれば、ゲートウェイは家と外の世界を繋ぐ玄関のような存在です。そして、光回線などでレンタルされる「ホームゲートウェイ」という機器は、このゲートウェイ機能とルーター機能の両方を一台でこなす多機能な装置なのです。さらに、光信号を変換する光回線終端装置(ONU:Optical Network Unit)の機能や、ひかり電話のアナログ電話線のアダプタ機能を内蔵している場合も多く、まさに、自宅とインターネット接続の心臓部と言えるでしょう。
ゲートウェイとルーターを併用は可能か
結論から言うと、併用は可能です。そして、これこそが今回ご提案したい解決策の核心部分となります。ホームゲートウェイのLANポートに、ご自身で用意した市販のWi-Fiルーターを接続して使うことができます。この状態を「二重ルーター」と呼びます。
「機器が二つになるなんて、なんだか難しそう…」と感じるかもしれませんが、接続自体はLANケーブルで繋ぐだけなので非常に簡単です。なぜ、わざわざそんなことをするのでしょうか?それは、後ほど詳しく説明しますが、市販のWi-Fiルーターが持つ高性能な機能(特に、強力なペアレンタルコントロール機能)を家庭のネットワークに追加するためです。今ある環境を活かしつつ、機能だけをパワーアップさせる賢い方法なのです。 この記事は、WiFiルータのインターネット利用制限であるキッズタイマー導入のメリットを紹介します。最近のWiFiルータには、キッズタイマーが搭載されています。多くのWiFiルータで採用される理由を知る ...
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なぜ2重ルーターはダメと言われるのか
「二重ルーターは通信が不安定になるからダメ」という話を聞いたことがあるかもしれません。これは、2台のルーター(交通整理役)がネットワーク内に存在することで、互いに干渉し、通信の混乱を招く可能性があるためです。具体的には、特定のオンラインゲームが繋がらない、通信速度が上がらないといった問題が起きることがありました。

しかし、これらの原因の多くは、配線ミスや間違った設定であり、最近のWi-Fiルーターは、動作モードを「ローカルルーター」にするだけで、最適な設定に変更してくれる機能が搭載されています。また、手動でルーター機能をオフにし、Wi-Fiの電波を飛ばす機能だけに専念させる「ブリッジモード(APモード)」という設定を使えば、問題を簡単に回避できます。したがって、「ダメ」というよりは「正しく設定すれば全く問題ない」という状況です。
回線終端装置とゲートウェイの違いは
「回線終端装置」も、インターネットに接続する際に出てくる専門用語の一つです。これは、光ファイバーやADSLといった外部の回線から送られてくる信号を、パソコンやルーターが理解できるデジタル信号に変換するための装置です。光回線終端装置は、英語の「Optical Network Unit」を略して「ONU」とも呼ばれます。

このONUは、あくまで信号を変換するだけの単機能の装置です。一方で、「ホームゲートウェイ」は、このONUの機能に加えて、ルーター機能、Wi-Fi機能、電話機能などを一台にまとめた多機能な装置です。契約する回線事業者やプランによって、ONUだけが単体で設置される場合と、多機能なホームゲートウェイが設置される場合があります。ご自宅の機器がどちらのタイプかを確認することが、最初のステップになります。
ONUがあればルーターはいらないか
もしご自宅に設置されているのが、信号変換機能しかない単体の「ONU」だった場合、ルーターは追加で必要となります。ONUには通常、LANポートが一つしかありません。そのため、パソコン一台を有線で繋ぐことはできても、複数の端末を同時に接続したり、Wi-Fiを使ったりすることはできません。

スマホ、タブレット、スマート家電、ゲーム機など、現代の家庭では数多くの端末がインターネットに接続されています。これらの機器をすべてインターネットに繋ぎ、快適なWi-Fi環境を構築するためには、各端末にIPアドレスを割り振り、通信を整理するルーターの役割が不可欠です。ONUだけでは、せっかくの高速回線も宝の持ち腐れになってしまうのです。現代の家庭において、ルーターは「必要不可欠な機器」と言えるでしょう。
ホームゲートウェイは必要か
「多機能で便利な市販のルーターがあるなら、レンタル品のホームゲートウェイは無くてもいいのでは?」と思うかもしれません。しかし、多くの場合、ホームゲートウェイは必要不可欠です。特に、NTTのフレッツ光などで「ひかり電話」を契約している場合、その機能がホームゲートウェイに内蔵されているため、取り外すことができません。また、ホームゲートウェイが回線事業者のネットワークに接続するための認証機能を担っていることも多く、単純に市販品と交換することはできない仕組みになっています。
つまり、「ホームゲートウェイは必須、でもその内蔵ルーター機能は使わなくても良い」というのがポイントです。ホームゲートウェイは「玄関」として必ず設置しておき、その先に自分好みの高性能な「家の中の交通整理役(市販ルーター)」を追加する。これが、子育て世帯にとって最適なネット環境を構築する鍵となります。
二重ルーターにする理由
ホームゲートウェイの基本が分かったところで、次はいよいよ本題です。なぜ、わざわざ自分でルーターを買ってきて「二重ルーター」にする必要があるのでしょうか?それは、子どものインターネット利用に悩む私たちパパママにとって、レンタル機器のホームゲートウェイでは解決できない問題を解消できる大きなメリットがあるからなのです。
ホームゲートウェイは自由に選べない
二重ルーターにする最大の理由は、回線事業者からレンタルされるホームゲートウェイを自分で選べない点にあります。供給される機器は、あくまで汎用的なモデルであり、製造から数年が経過した旧式のものが支給されることも少なくありません。
もちろん、インターネットに接続するという基本的な機能は果たしてくれます。しかし、「もっと強力なペアレンタルコントロールが欲しい」「最新のゲーム機を最高速で使いたい」といった、各家庭の個別なニーズに応える設計にはなっていません。いわば、性能も機能も「そこそこ」の標準装備品なのです。自分たちのライフスタイルや悩みに合わせて最適な一台を選べない、この制約を乗り越えるための手段が、高性能な市販ルーターの追加なのです。
ホームゲートウェイ交換は有料
「家のホームゲートウェイが古いなら、新しいものに交換してもらえばいいのでは?」と考えるかもしれません。しかし、故障でもない限り、新しいモデルへの交換は有料のオプションサービスとなることがほとんどです。数千円の出張費や交換手数料がかかることもあります。

さらに、費用を払って交換してもらっても、届くのはあくまで事業者が用意する最新の「標準品」です。結局、私たちが本当に欲しい特定の機能(例えば、強力なペアレンタルコントロール)が搭載されているとは限りません。それならば、同じくらいの費用、あるいは少し足すだけで、自分の悩みをピンポイントで解決してくれる最新の市販ルーターを購入する方が、はるかに満足度の高い投資になると言えるでしょう。
なお、auとNTT西日本では、旧タイプのホームゲートウェイをご利用の場合に限り、新タイプの機器に交換することができます。詳しくは、下記URLを参考にしてください。
au お客さまのご要望によるホームゲートウェイ交換(希望交換)
NTT西日本 「第3世代ホームゲートウェイ」の機器変更に伴う工事費用の割引について
最新のWi-Fi規格に対応できない
Wi-Fiの技術は日進月歩で進化しており、「Wi-Fi 6(11ax)」「Wi-Fi 7(11be)」といった新しい規格が次々と登場しています。新しい規格ほど通信速度が速く、多くの端末を同時に接続しても安定しやすいという特長があります。

しかし、レンタル品のホームゲートウェイは、型式が古く最新のWi-Fi規格に対応していないケースが多々あります。せっかく高速な光回線を契約していても、Wi-Fiがボトルネックとなり、その性能を全く活かしきれていないのです。家族みんながスマホやタブレットで動画を見たり、オンラインゲームをしたりする時間帯に通信が遅くなるのは、これが原因かもしれません。最新規格に対応した市販ルーターを追加することで、家庭内のWi-Fi環境が劇的に改善され、誰もがストレスなくインターネットを楽しめるようになります。
多くがキッズタイマーなどを搭載していない
これがお子様のいるご家庭にとって最も重要なポイントです。通信キャリアが提供するフィルタリングサービスは、子どもが少し賢くなると設定変更や抜け道を探して解除されてしまいがちです。それに対し、バッファローの「キッズタイマー」やNECの「こども安心ネットタイマー」といった、市販のWi-Fiルーターに搭載されているペアレンタルコントロール機能は非常に強力です。これらの機能は、ルーター自体がインターネット接続を管理するため、子どもがスマホの設定をいじっても回避できません。

端末ごとに「平日は21時まで、休日は22時まで」といった細かいスケジュール設定や、指定した時間帯だけ特定のゲーム機の通信を遮断するといった高度な制御が可能です。この機能のためだけに、市販ルーターを追加する価値は十分にあります。 この記事では、中学生・高校生の健全な成長を支援するためのインターネット通信制限の重要性と、コロナ禍を経験した現代のスマホアプリやWiFiルータの制限機能を使った「スマホと上手な付き合い方」を説明してい ...
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ゲートウェイのレンタル費は無料か安価
ホームゲートウェイのレンタル料金は、月々数百円程度、あるいはキャンペーンで無料になっていることもあり、「わざわざ数万円も出してルーターを買うのはもったいない」と感じるかもしれません。この月額料金も2~3年と使い続ければ、市販の高性能ルーターが購入できる金額に達します。わざわざ、お金を掛けてWi-Fiルーターを購入して、二重ルーターにしなくても良いと思うかも知れません。
| 名 称 | 無線LAN 無 | 無線LAN 付 |
| NTT東日本 | 0円 | 330~550円/月 |
| NTT西日本 | 0円 | 110円/月 |
| au | - | 660円/月 |
しかし、そして何より、考えてみてほしいのです。子どものネット利用を巡る日々の親子喧嘩や、保護者のストレス、そしてお子様が健全なデジタル習慣を身につける機会。これらを、1~2万円程度の投資で解決できるとしたら、どうでしょうか。Wi-Fiルータの購入は、長期的な視点で見れば、家庭の平和と子どもの未来のための非常に価値ある投資と言えるはずです。
二重ルーターでも通信速度への影響は少ない
「二重ルーターは速度が遅くなる」というのも、今ではほとんど過去の話です。理論上、ルーターを一つ経由するごとにごく僅かな処理遅延(レイテンシー)は発生しますが、現在の高性能なルーターを使えば、その影響は体感できるレベルではありません。動画視聴やWebサイトの閲覧、ほとんどのオンラインゲームにおいて、全く問題にならないでしょう。
むしろ、先述の通り、性能の低いホームゲートウェイの内蔵Wi-Fiを使い続けるよりも、最新の高速Wi-Fi規格に対応した市販ルーターを追加した方が、Wi-Fi経由での実効速度は大幅に向上します。二重ルーターにすることによるデメリットはほぼ無く、得られる速度と機能のメリットの方が圧倒的に大きいのです。
まとめ
今回は、お子様のインターネット問題解決の糸口として、ホームゲートウェイの役割と、市販ルーターを追加する「二重ルーター」という手法について解説しました。回線事業者からレンタルされるホームゲートウェイは、自由に選べず、機能も性能も限定的です。特に、私たち親世代が求めるような、きめ細やかで強力なペアレンタルコントロール機能は備わっていません。これが、通信キャリアのフィルタリングを突破してしまう子どもたちのネット利用に、歯止めをかけられない大きな原因の一つです。
そこで、「キッズタイマー」などの強力な利用制限機能を持つ市販のWi-Fiルーターを追加することが、非常に有効な解決策となります。二重ルーターによる速度低下は現代の機器ではほぼ心配なく、むしろ最新のWi-Fi規格によって家庭内の通信環境は快適になります。少しの投資と簡単な設定で、家庭内のネットルール作りが驚くほど楽になります。のんびり理系おじさんの家でもこの方法で、日々子どもとのネット問題に向き合っています。この記事が、同じ悩みを持つパパママの助けになれば嬉しいです。
最後まで読んでいただき、まことにありがとうございました。のんびり理系おじさんは、読者の皆さまのお子様の成長を心よりお祈り申し上げます。どうしようもないとき、このページを参考にインターネット利用制限を行ってください。おじさんは、これからも、皆様の子育てのお役に立てる情報を発信していきます。